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意外に分からない? 「キャンピングカーどこに駐めるべき?」 各所で問題視される「駐車トラブル」の実情とは

くるまのニュース / 2022年5月22日 9時10分

昨今人気が高まっている「キャンピングカー」。大小さまざまなタイプが販売されていますが、駐車場所の問題もあるようです。

■人気のキャンピングカーで問題視される「駐車トラブル」とは

 昨今、人気が高まっているキャンピングカー。さまざまタイプが販売されていますが、同時に移動途中などにおける駐車場所の問題もあるようです。
 
 実際にどのような駐車トラブルが起きているのでしょうか。

 自動車業界において、右肩上がりで成長しているのがキャンピングカー市場です。

 日本RV協会の統計によれば、2021年のキャンピングカー(新車・中古車)635.4億円。

 これは前年比109%という成長率であり、ここ10年で見ると約3倍の販売総額になっています。

 累積保有台数で見てみると13万6000台に。折からのコロナ禍の影響で、密を避けるのが容易ということもあり、市場拡大にさらなる拍車がかかったようです。

 台数が多くなると、さまざまなトラブルが発生するものですが、キャンピングカーも例外ではないようです。

 その代表的事例が「駐車場所」の問題。キャンピングカーといっても、そのタイプはいろいろ。

 日本で多いのが、「バンコン(バンコンバージョン)」と「軽キャンパー」、そして「キャブコン(キャブコンバージョン)」です。

 バンコンは主に、トヨタ「ハイエース」や日産「NV350バネット」などの1BOX車、またはミニバンなどをベースに内装をキャンピングカー仕様に改造するカテゴリーのため、外観のサイズが変わることが少なく、駐車場所も普通車枠に駐めることができます。

 軽キャンパーもいくつかのタイプがありますが、どれもサイズ的に普通車枠をオーバーすることはありません。

 一方のキャブコンは、大き目のモデルであれば、全長は5m越え、全幅は2m越え、そして全高は3m近くのサイズになります。

 場所により寸法が異なりますが、コインパーキングやパーキングメーターの駐車スペースでは駐車をするのが大変という場合も。

 さらに、高速道路のSA/PAの場合は、なんとか普通車枠に入らないことはありませんが、混雑時は少々周囲の車両に気をつかってしまいます。

 筆者が以前立ち寄ったNEXCO東日本の施設では、「キャブコンは大型車枠の駐車スペースに駐めても大丈夫」というような案内がありましたが、実情はそこでもトラブルが起こりがちといいます。

 キャブコンに乗っている知人に話を聞くと、「周囲の車両に子供が傷を付けたらいけないので、大型車の駐車スペースに駐めたところ、トラックドライバーから苦情が出ました」といいます。

 このような状況について、NEXCO東日本の広報担当者は次のように話しています。

「現場において、そういう苦情が寄せられる場合があると聞きます。

 というのも、全国の高速道路においていえることなのですが、大型車枠の駐車スペースが不足していて、皆様にご迷惑をおかけしております。

 今後、大型車枠や普通車も駐められる兼用枠を増やしていく予定になっております。

 もちろん、大きなキャンピングカーの場合は、大型車枠に駐めていただくことは問題ありません。

 ただし、バンコンなどのキャンピングカーは、できるだけ普通車枠に駐めるよう協力を求めています」

※ ※ ※

 しかし、一見して大きなキャブコンが大型車枠に駐めると、なぜトラブルにつながりがちなのでしょうか。そこには、別の問題があると前出の広報担当者はいいます。

「キャンピングカーのドライバーさんのなかには、駐車スペースでサイドオーニングを広げて、椅子やテーブルを並べるという方がたまにいらっしゃいます。

 また、持ち込みのゴミを施設のゴミ箱に捨てているという苦情をいただくこともあります」。

 こうしたトラブルは、国土交通省管轄の「道の駅」でも数年前から問題になっています。

 オートキャンプによる長時間の駐車スペース占有や、駐車場内でのキャンプグッズの使用、火を使った調理などが原因です。

 さらには、キャンプで出たゴミや汚水の廃棄なども他の利用者から苦情になることも。

 SA/PAの駐車スペースや道の駅の駐車場もあくまで「休憩」のための施設です。

 国交省はそのホームページ上で、宿泊目的の利用や24時間以上の駐車は遠慮してほしい旨を記載しています。

 道の駅では、現地スタッフによる声がけや注意看板の設置などをおこなっていますが、こうした駐車に関するトラブルを解消する決定打にはなっていないようです。

■駐車トラブルの背景には「キャンピングカーの使い方」も影響している?

 しかしこうした駐車トラブルの背景には、実はユーザーのキャンピングカーの使い方にあることが分かってきました。日本RV協会事務局の弘中珠己氏は次のように話しています。

「私どもがユーザーさんにアンケートを採ったところでは、『キャンピングカーをどのように使うか?』 という質問に対して、“旅行の足”としてと答える人が圧倒の1位でした。

“キャンプ”と答える人が2位で多かったのですが、約半数という結果だったのです」。

 オートキャンプを楽しむのがキャンピングカーというイメージが一般的ですが、実はキャンピングカーが必ずしもキャンプで使いやすいとは限らないと弘中氏はいいます。

「キャンピングカーの横にサイトを広げられる、いわゆるオートキャンプサイトがあるキャンプ場はまだまだ多くありません。

 駐車場にキャンピングカーと駐めて、テントサイトでキャンプをするのがスタンダードなので、キャンプ場ではキャンピングカーの利便性を十分に発揮することができないこともあります」

 それよりも、行きたい観光地にキャンピングカーで出かけて、気軽に車中泊をするという使い方のほうがキャンピングカーの魅力が活かせるというのです。

 そこで生まれてくるのが、どこにキャンピングカーを駐車して車中泊するかという悩み。結果、前述のようなトラブルも出てくるというわけです。

SA・PAの駐車枠問題は年々改善されるものの、利用者のマナー改善も求められるSA・PAの駐車枠問題は年々改善されるものの、利用者のマナー改善も求められる

 日本RV協会は、キャンピングカーを有料で駐車・車中泊ができる「RVパーク」を全国に展開しています。

 同施設の特徴は、地方のみならず都市部にもあること。都市部ほど、キャンピングカーを駐車できるインフラが少ないため、人気が高いといいます。

 RVパークは観光施設や道の駅などの他、ホテル、日帰り入浴施設の駐車場の一角や、おもしろいところでは飲食店の駐車場に設置されており、24時間利用可能なトイレがあること、15km圏内以内に入浴施設があること、100V電源の使用が可能なこと、ゴミ処理ができることなどの施設条件が定められています。

 駐車スペースで火を使った調理ができないことや、キャンプ道具を出せないことなどは公共施設の駐車場と同じですが、キャピングカーで快適に車中泊ができるさまざま配慮がなされているようです。

 現在、RVパークは全国に268か所(2022年5月19日時点)ありますが、日本RV協会は1000か所の設置を目指しています。

 最近は、各自治体のからの設置問い合わせも多く来ているということで、今後はさらに便利な場所にできる可能性が高いということです。

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