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660万台も売れたの!? 世の中は「電動化が進んでいる?」 前年2倍強となったEV・PHV販売事情とは

くるまのニュース / 2022年6月10日 20時10分

IEA(国際エネルギー機関)が発表した「グローバル・EV・アウトルック 2022」によると、2021年には世界全体で約660万台の電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)が販売されたようです。いうまでもなく、この数字は過去最高となるものです。

■急増するEV、それをけん引するのはやはり中国と欧州

 日本を含む31の加盟国で運営されるIEA(国際エネルギー機関)はこのほど、「グローバル・EV・アウトルック 2022(世界EV見通し2022)」を発表し、電気自動車(EV)をはじめとする自動車の電動化についての現状をまとめました。
 
 今回の発表のハイライトとなったのは、2021年における世界全体のEVおよびプラグインハイブリッド車(PHV)の販売台数が、前年比2.2倍となる約660万台を記録したというものです。このうちの約7割がEVとなっています。

 地域別に見ると、中国が333万台(前年比2.9倍)、欧州が228万台(前年比1.7倍)、米国が63万台(前年比2.1倍)となっており、依然として中国がけん引していることがうかがえます。

 2020年の世界全体のEV・PHV販売台数が316万台であったため、2021年の中国だけでその数字を超えた計算になります。

 また、中国はEV・PHVの新車販売のうち82%がEVとなっています。米国が73.9%、欧州が53.9%であることを考えると、中国のEV普及は世界トップクラスのスピードで進んでいることがわかります。

 一方、内燃機関車も含めた新車販売台数全体の比率で見ると、欧州は17%、中国は16%、米国は4.5%となっており中国も含めて依然として内燃機関車が優勢となっています。

 日本自動車販売協会連合会の統計では、日本の登録車におけるEV・PHVの販売台数比率は約2%であり欧州や中国はもちろん、米国と比べても低いことがわかります。

 しかし、ここにハイブリッド車(HV)も含めるとその割合は約45%にまで跳ね上がるため、日本の自動車における電動化はHVとともに進んでいることがうかがえます。

 また、購入可能なEV・PHVのモデル数を見ると中国は298(前年比13%増)、欧州は184(前年比26%増)、米国は63(前年比24%増)と、中国が圧倒的です。ちなみに、日本は2021年時点で30モデル程度となっています。

 IEAでは、EVの課題といわれることの多い航続距離についても、着実に進化していると指摘します。

 2017年には243kmとなっていた航続距離の世界平均は、2021年には100km以上の伸長し、349kmとなったとしています。

 EV購入支援を目的とした政府の補助金総額についても、中国が12億5000万ドル(前年比2.2倍)、欧州も12億5000万ドル(前年比1.6倍)と圧倒的です。

 米国は2億ドルとなっていますが、前年の3.3倍と伸長率では中国や欧州をしのぎます。ただ、中国や米国に関しては、EV1台あたりの補助額は、2016年時点と比べて減少傾向にあると指摘されています。

 日本の場合、経済産業省による2021年度の「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)」は300億円(約2億3500万ドル)規模であり、新車販売台数規模から見ると十分健闘していることがわかります。

 また、EVの普及に欠かせない充電器の数も着実に増えているようです。2021年時点のEV充電器の数は前年比37.2%増の178万個となっており、そのうち急速充電器は47.4%増の57万個となっています。

 しかし、急速充電器のうち、全体の8割以上となる47万個が中国となっており、地域差があるようです。

■乗用車と商用車における今後のEV・PHVの新車販売台数予測は?

「グローバル・EV・アウトルック 2022」では、乗用車と商用車における、今後のEV・PHVの新車販売台数予測も示されています。

 各国における現在の政策や目標を考慮した「公表政策シナリオ」では、2025年に世界全体で1800万台、2030年には3000万台超のEV・PHVが販売されると見込まれています。

 この数字は、内燃機関車を含む新車販売台数全体の、それぞれ13%と20%超にあたります。

 この数字には、充電インフラが十分ではない新興国なども含まれています。中国や欧州だけに絞れば、その割合は大きく跳ね上がることが予測されています。

今後は日本でもEVが増えてくるのか? (画像は日産が発表した軽EVのサクラ)今後は日本でもEVが増えてくるのか? (画像は日産が発表した軽EVのサクラ)

 IEAによって発表された今回のレポートを見ると、自動車の電動化は中国や欧州がけん引していることがわかります。

 その背景には、多額の補助金による強力な後押しがあることがうかがえますが、その一方で、中国では1台あたりの補助額が減少傾向にあります。これはすでにEVが普及期に入ったことを意味しています。

 日本を見ると、EV・PHVの割合は欧米や中国よりも低いようですが、HVを含めると世界でもトップクラスの「エコカー大国」となります。また、燃料電池車(FCV)を実用販売している数少ない国のひとつでもあります。

 EVの普及に関する政策は、国家百年の計を担ううえで重要なエネルギー安全保障の問題に直結するものです。

 EV推進によるメリットは多い一方で、解決しなければならない課題も多いのが実情です。

 各国政府や自動車メーカー、そしてユーザー自身が、今後どのような選択肢をとっていくべきかについて、冷静かつ慎重な議論が求められています。

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