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バイオものづくりを支える微生物探索のための基盤技術を開発

共同通信PRワイヤー / 2024年9月26日 10時0分


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202409246888-O2-66giTHxl


次に、膜染色試薬で染色したドロップレット内の微生物の検出とドロップレットソーターによる分取が可能であることを実証しました。暗視野による顕微鏡観察でもドロップレット内における微生物の存在は確認できますが、顕微鏡観察では多数のドロップレットの扱いが難しく、それらを分取できません。膜染色試薬で蛍光染色すると、ドロップレットソーターによる高速なソーティング(蛍光強度による選別と分取)が可能になります。各ドロップレットの蛍光強度の測定で、微生物が入っていないドロップレットと内部で微生物が増殖したドロップレットを識別できました。また、試薬を使用せず自家蛍光のみで検出した場合には検出が難しいと思われる大腸菌の数であっても、膜染色試薬を使うことで大腸菌の存在を明確に検出することに成功しました(図2)。さらに、微生物が増殖したドロップレットを蛍光強度に従って、ドロップレットソーターで選択的に分取できました。ドロップレットの90%が空で、残りの10%に大腸菌が含まれている状況から、高い蛍光強度のドロップレットのみを分取すると、微生物を含むドロップレットを最大100%の割合で回収できました(図3)。培養やソーティングの過程でドロップレットが壊れてサイズが変わる場合もありますが、サイズが変化したものも含めたソーティングにより、目的のドロップレットの回収ができます。


【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202409246888-O3-q5t41Tmu


 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202409246888-O4-0Vnv45RA


本技術・本試薬を活用すると、ミリオンスクリーニングにおいて、簡便かつ高感度に微生物の増殖を検出できます。微生物の基本的な成分である膜を染色するため、さまざまな菌種で利用可能です。したがって、多様な微生物を含む環境中からの有用微生物の探索、微生物の育種の際の基盤的な技術として活用できます。一例として、環境中の多種多様な微生物を個別にドロップレットに封入してスクリーニングする場合が考えられます。有用な機能を持つ微生物のみが増殖する特定の条件で培養し、その条件下で増殖が見られた希少な有用微生物を含むドロップレットをソーティングして取得します。ソーティングによって回収したドロップレットは、一つ一つ96穴プレートなどに分離できるため、そこから大量培養に繋げていくことも可能です。

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