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高圧水素源の「ギ酸」を二酸化炭素から再生

共同通信PRワイヤー / 2024年9月27日 14時0分


【動画:https://www.youtube.com/watch?v=xn0NLHkdEJg

動画 ギ酸水溶液中でのギ酸脱水素化の様子(泡が勢いよく出ている)とギ酸HFIP溶液中でのギ酸脱水素化の様子(反応が抑制されていて、少ししか泡が出ない)。いずれも50 ℃での反応の様子。


これらの発見から二酸化炭素と水素から直接ギ酸を効率的に合成する手法を考案し、ギ酸を水素キャリアとして活用するシステムの中で再生する本技術の開発に至りました。


今後の予定

今回の開発により、研究室レベルで、水素を二酸化炭素と反応させてギ酸へと変換して“貯蔵”し、そのギ酸から高圧水素(“製造”)と二酸化炭素を発生させ、さらに回収した二酸化炭素を用いてギ酸を合成するシステムのコンセプトが実証できました。今後は、研究室スケールでの概念実証レベルから、ベンチプラントスケール、パイロットスケールへのスケールアップが必要です。そのため、2030年の社会実装に向けて、実証実験を進めていく予定です。


また、現在、ギ酸は、今回の触媒を用いた合成法だけでなく、電気化学的な合成法、バイオマスやバイオガスからの合成法など、さまざまな合成技術が開発されており、将来はこれらの技術で合成されたギ酸も含めて水素キャリアとして利用するシステム全体の構築を目指していきます。


論文情報

掲載誌:Organometallics

論文タイトル:Direct formic acid production by CO2 hydrogenation with Ir complexes in HFIP under supercritical conditions

著者:Seo Ono, Ryoichi Kanega, Hajime Kawanami

DOI:doi.org/10.1021/acs.organomet.4c00229


用語解説

ギ酸(HCO2H)

最も簡単なカルボン酸で、工業的にはメタノールと一酸化炭素を反応させて製造される。染色助剤や可塑剤、凝固剤、メッキ、殺虫剤、その他溶剤などに用いられる。日本では水溶液中のギ酸が90%未満の場合は、毒物及び劇物取締法に規定される劇物に該当しない。また、水溶液中のギ酸が78%未満では、消防法に規定される危険物に該当しない。

ギ酸の分解は、下記化学式に表されるように二つの競合する分解経路を持つ。

 HCO2H → H2 + CO2 (1) 脱水素反応(脱炭酸反応)

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