社説:宣言前倒し解除 再拡大防止策を着実に

京都新聞 / 2021年2月27日 16時5分

 10都府県で発令中の新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言を巡り、政府は京都、大阪、兵庫の関西3府県と愛知、岐阜、福岡の計6府県を2月末で解除することを決めた。

 1カ月延長した3月7日までの期限を1週間早めることになる。

 6府県では、宣言の目安とする感染状況が最も深刻な「ステージ4(爆発的感染拡大)」をほぼ全指標で脱したと判断した。各知事の解除要請に応じた形だ。

 宣言下の対策強化と国民の協力により、新規感染者数が減少するなど最悪期を越えたのは確かだろう。ただ、感染状況や医療体制の逼迫(ひっぱく)を十分に改善できている状況とは言い難い。

 残る首都圏の1都3県は、医療への負荷が依然高い状態にあるとして解除の検討が見送られた。

 6府県で期限を前倒ししてまで宣言を解除し、リバウンド(感染の再拡大)を繰り返すのでは困る。しっかりと再流行を抑えていく手だてと備えを再点検し、徹底することが不可欠だ。

 宣言の解除後も、政府のイベント規制や各府県による飲食店営業の時間短縮要請などは一気に緩和せず、感染再燃を警戒しながら段階的に進められる。

 関西3府県は、宣言中の午後8時までの時短要請を午後9時までとする。協力業者にとって1時間延長の効果は限定的であり、要請対象の範囲や今後の緩和の進め方などを明確に示す必要がある。

 政府は、解除後も時短に応じる業者への財政支援を継続する。現在の一律支給では事業規模によって不公平だと指摘されており、実際の影響に即した柔軟な仕組みを工夫すべきだろう。

 新規感染の急減に比べ、医療現場の負担は緩和されておらず、感染再燃で再び逼迫しかねない。着実な体制増強策が欠かせない。

 京都府は、コロナ対応病床や宿泊療養施設の上積みを進める方針だ。

 重症者対応や回復した患者の受け皿確保など病院間の役割分担と連携、マンパワーの拡充を進めて総合的な対応力を高めたい。

 春先は、就職や進学、転勤による広域の移動や、花見、歓送迎会などの集まりで感染リスクが高まりやすい。コロナの変異株の感染拡大にも警戒が必要だ。

 政府は、先行解除する6府県の歓楽街などで無症状者へのモニタリング検査を始める。感染増加の兆候を「攻めの検査」でいち早く察知し、対処することが重要だ。

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