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「ケーキの自販機」が連日完売 非対面で“パティシエの味”、コロナ禍で存在感増す無人販売

京都新聞 / 2021年9月14日 11時14分

本格的な味わいのケーキが購入できると人気の冷凍自動販売機(草津市渋川2丁目・スイーツ工房パパラボ)

 パティシエ手仕込みのケーキの冷凍自動販売機が滋賀県草津市内にお目見えし、ボタン一押しで気軽にプロの味が楽しめることから人気を呼んでいる。新型コロナウイルス禍の非対面・非接触ニーズを追い風に、連日売り切れが続いている。本格的なケーキの自販機は県内初登場という。

 自販機を設置したのは、カフェやレストランに冷凍ケーキなどを卸す洋菓子製造卸「スイーツ工房 パパラボ」(同市渋川2丁目)。コロナ禍で売り上げが約4割減り、新たな収益確保策として先月下旬に工房前に設置した。菓子職人の大林瑞門社長(43)は「現在の事業内容を大きく変えずに設置できた。人を雇うなど新たな費用負担もかからない」と利点を話す。

 ケーキの価格は500円均一(二切れ入り)。オーストラリア産クリームチーズをふんだんに使った「ベークドチーズケーキ」や、しっとりとした食感の「蒸し焼きショコラ」の定番商品のほか、和栗クリームや生カスタードなど3層仕立ての「和栗モンブランタルト」、窯焼きティラミスなど秋限定品も。チョコレートなどの原材料をたっぷり使うなど、作り手のこだわりが詰まった品が並ぶ。

 設置以来、ユニークさも受け、用意した当日分の約100箱が営業時間内に売り切れになる人気ぶりという。仕事中に立ち寄り、モンブランタルトを購入した大阪市の会社員(26)は「栗の味がしっかりして、ごちそうのケーキだった」と驚いていた。大林社長は「質の高さと工房直売価格でコストパフォーマンスの高さに自信がある。(コロナ禍の中で)自宅で気軽にティータイムを楽しんでほしい」と話している。


 自販機の販売時間は平日午前9時~午後7時、水土曜は正午まで。日曜休み。

 

全国で続々登場「ユニーク冷凍用自販機」

 ケーキや焼き肉、ラーメン、いくらなどの海産物、弁当といったユニークな冷凍用自動販売機が全国で続々登場している。この動きを後押しするのが冷凍用自販機「ど冷えもん」だ。自販機メーカーのサンデン・リテールシステム(東京)が独自開発し、コロナ禍の中、採用する業者がじわじわ広がっている。

 従来の冷凍用自販機はアイスクリームなどの販売に限られていた。「ど冷えもん」はストッカーの仕切りを自在に変更でき、これまでの自販機に入らなかった商品の販売が可能となった。

 同社はコロナ禍のテークアウトや非対面・非接触の需要を見越して、今年1月末から販売を開始。広報担当者によると、販売台数は非公表だが「すでに北海道から九州まで売れる異例のヒット製品となっている」。8月末には冷凍と冷蔵が切り替え可能な「ど冷えもんNEO」も市場に投入した。

 ど冷えもんを活用し、多様な商品を販売する動きについて同社関係者は「事業者がさまざまなアイデアを考え、予想以上に広がっている」と驚く。緊急事態宣言などの影響で飲食店などが時短営業を余儀なくされる中、「一人で営業を続ける店主が自販機を置くことで、売り上げを補える。さらに売り上げが伸びる例もある」としている。

 日本自動販売システム機械工業会によると、昨年の自販機の国内普及台数は、前年比2・5%減の約404万台と減少傾向にある。サンデン広報担当者は「飲料の自販機は飽和状態だが、高機能な製品についてはまだまだ伸びしろはある」とみる。他社が同種の自販機を開発・販売する動きもあり、ユニークな商品を販売する自販機があなたの住む街に近く登場するかもしれない。

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