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京都市内で投票率の高いまちと低いまち  何がどう違う?

京都新聞 / 2021年10月12日 6時0分

地域によって投票率に大差が出ていることを伝える紙面=2010年4月10日朝刊

 第49回衆議院選挙が公示された。政治不信で選挙の度に投票率低下の懸念が報じられる中、投票率が高いまち、低いまちにはどんな特徴があるのだろうか。

 2010年4月10日の京都新聞朝刊は「投票率に大差 なぜ?」との見出しで、06年府知事選の地域ごとの投票率を報じた。最高は福知山市三和町加用(投票率94・12%)、最低は木津川市梅美台(同22・12%)で差は4倍超。両地域のルポを掲載し、高齢化の著しい山間部で高く、新興住宅地で低いという傾向を伝える。では、昨年2月の京都市長選ではどうだったのか。

 287ある投票所のうち、真弓分校舎(北区)、百井自治会館(左京区)で投票率は8割台を記録した。市全体では40・71%で、平均の2倍だったことになる。ともに山間部の小さな集落だ。

 百井自治会館のある大原百井町を訪れた。畑が広がり、古民家が立ち並ぶ。有権者30人のうち24人が投票していた。

 「投開票日の雑談は『選挙行った?』で始まる。住民が少ないので、行かないと逆に目立つ」。畑作業をしていた男性(58)は苦笑する。横にいた妻(52)も「選挙に行くのは当然だと思っている」と口をそろえた。

 地域は4分の3以上を高齢者が占める。民家の大半は投票所から約300メートル以内に所在し、男性は「歩いて5分とかからない。気軽に投票できるのは大切なこと」。別の住民からは、かつて投票して当選した議員に「近くの道路が狭い」と伝えたところ、道路が拡幅されたことがあった、との経験談も聞いた。

 大原百井町では投票所だけでなく、政治との距離も近かった。林冨美子さん(75)は「投票する権利があるからやっぱり使わないと。いいことがあるかもしれない。大事な1票ですよ」。集落には政治家のポスターが目立つように貼られている。

 一方、最低だったのは伏見区南部の久我自治連合会館投票所。投票率は25・11%で、有権者の4人に1人しか投票に行かなかった。宅地開発が進み、有権者は約5千人で08年市長選から約1割増えた。地域の高齢化率は22%で市平均より約5ポイント低い(15年国勢調査)。子育て世代の急増に中学校は校舎増築などを繰り返した。周囲を歩くと、田畑の近くに新しい住宅が目立つ。住民の30代女性は「子育て政策に関心はあるが、選挙で何か変わると思わないので」と申し訳なさそうに話した。

 自治会役員に話を聞いて回ると「投票に行かない若い世代が多く、自治会加入率も3分の1ほどで接点が持てない」「地域への関心と、政治への関心は関係すると思う。衆院選の投票率も心配だ」と嘆いていた。会館では月1回、地元産野菜を販売する朝市を開催し、住民の交流を深めようとしている。

 大原百井町、久我両地域の特徴は、知事選の傾向と一致していた。若年層の投票率の低さは全国共通の課題。結果、票に結び付きやすい高齢者向けの政策や公約が多くなり、「シルバー民主主義」と称される。衆院選投開票日は31日。候補者の訴えは幅広い層の有権者に届くのだろうか。

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