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デジタルネイティブこそ知ってほしい「アナログメモ入門」【第1回】

lifehacker / 2021年8月25日 20時0分

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ライフハッカー[日本版]2021年7月の特集「深化するメモ術」では、タスクや目標を書き出すことの意義やメリット、アイデア術などの「メモの力」についてお伝えしました。

特集でも登場していただいた手帳評論家の舘神龍彦さんに、語り切れなかった「アナログメモ」の魅力について寄稿してもらいました。デジタル全盛の現代だからこそ見直すべき、アナログの力とは?

全3回でお送りします。今回は第1回です。

舘神龍彦(たてがみ・たつひこ)

profile

デジアナリスト・手帳評論家。主な著書に『凄いiPhone手帳術』(えい出版社)、『意外と誰も教えてくれなかった手帳の基本』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『手帳と日本人』(NHK出版新書)など。「マツコの知らない世界」(TBSテレビ)「HelloWorld」(J-WAVE)はじめテレビ・ラジオ出演多数。ISOT2021文具PR委員。文具の製品開発、講演等を行っている。Yahoo! Japan クリエイターズプログラムで文具・手帳の動画を発信中。twitter:@tategamit

意外と誰も教えてくれなかった手帳の基本 意外と誰も教えてくれなかった手帳の基本

1,463円

これだけデジタルツールが普及している現代でも、アナログのメモにしかできないことがあります。いや、従来の手帳やノート、メモ帳などのアナログツールこそが情報整理の効率を飛躍的に高める最高のアイテムだと筆者は考えています。

まずはこのことについて、順に説明していきましょう。

脳のメモリーには限界がある。だからメモが必要

まず、なぜメモをとるべきかについて説明します。

それは、脳が一度に覚えられる事柄には上限があるから。いわゆる“マジックナンバーセブン”です。

これは人が一度に覚えられることは7±2という説で、要するに人の脳はあらゆることをすべて覚えておくことはできないということです(苧阪満里子著『脳のメモ帳 ワーキングメモリ』(新曜社)より)。

仮に覚えていられたとしても、それはそれでデメリットがあります。

脳のメモリーには限界があります。なにかしらの事柄をずっと覚えていることによって、利用できる脳のリソースがそちらに割かれてしまうのです。

そのために、仕事中などに目の前の作業について、脳が100%のパフォーマンスを発揮することが難しくなります。

例えば、なにか心配事や懸念を抱えたまま、今後の商品の販売戦略について考えたとしましょう。

懸念が常に頭の片隅にあることによって、販売戦略に頭を働かせることの妨げになってしまうのは想像に難くありません。

そうではなく、懸念は懸念として一度頭の外に追い出して、目前の課題に集中できる環境を作ることが重要なのです。

そして、そのためにこそ各種の記録媒体が存在します。

懸念をノートやデジタルツールに書き出してしまえば、脳で覚えておく必要はなくなります。メモを見れば情報が分かる、思い出せるという状態を作り出すことには、そういったメリットがあるのです。

記憶媒体は、原則的には何でもかまいません。紙のノートでもいいし、Todoistのようなタスク管理アプリ、またはEvernoteのようなクラウドサービスでもOK。

ポイントは、その記録を見返せば内容がいつでも思い出せること。またいつでもアクセスできて、簡単に追記ができることです。

なぜ紙のメモが望ましいのか?

今、メモ自体はアナログでもデジタルでも構わないとお伝えしました。しかし冒頭申し上げたように、アナログメモにはデジタルにないメリット、効力があります。

それは大きく4つあります。順にご説明しましょう。

その1 アクセス性の高さ

まずは、書き込む際のアクセスのよさです。

紙のノートやメモ帳は、すぐ開いて簡単に記入することができます。これは、ロックを解除してアプリを起動しなければならないスマートフォンや、開いてOSとソフトを起動してキーボードから入力しなければならないノートPCとは大きく異なる点です。

常に携帯していることや筆記具を一緒に持っていることが前提ではありますが、紙のアクセス性の高さはデジタルツール各種に対する大きなアドバンテージだと言えるでしょう。

その2 追記が容易

1のアクセス性の高さとも関係しますが、紙のメモ帳やノートは追記することが簡単です。

アプリの起動やソフトの選択などの手間は発生せず、目的のページを開きさえすれば、簡単に情報を加筆できるのです。

デジタルツールの場合は、やはり前述のように起動のプロセスが省略できません。最初にメモをするときは音声入力でもキーボード入力でもいいのですが、その情報に追記しようとしたら、アプリやソフトの起動、そしてファイルなどの選択のプロセスが不可欠となります。

その点、メモ帳やノートなら目的のページを開けば、すぐに追記することが可能です。

このときのポイントは、記入した情報の一覧が用意されていること。アナログのノートやメモ帳を活用するにあたっては、インデックス機能があるものを使うか、インデックスを別に用意することをオススメします。

これについては次回以降で詳しく説明したいと思います。

その3 表現の自由度の高さ

これも紙のメモ帳のメリットとしてよく言われることですが、改めて触れておきたいポイントです。

要するに、文字と図形・イラスト、図解などを簡単に混在させて書けるということです。また、少しの投資で何色もの色を自由自在に使い分けることができます。

同じことができるデジタルツールもありますが、タブレットなどそれなりに初期投資が必要になります。また、使いこなすためには知識とテクニックが必要です。

そして、どんなアプリ、ソフトウェアを使うにせよ、そのアプリやソフトウェアが機能として用意している以上のことはできません。

その点、紙のメモ帳とペンならば文字通り直感的に図やイラストが描けます。ラフではあるものの、ツールなどの切り替えを意識することなく記述ができるのです。

特別な知識なしにそれが実現できて、初期投資も、ペンもふくめてせいぜい1000円弱しかかからないというのは、これ以上ないメリットと言えるでしょう。

その4 デジタルデータの純度を高められる

最後は逆説的になってしまいますが、アナログとデジタルを併用することによって、デジタルデータの純度を高めることができるというものです。

たとえば、日々の買い物などちょっとした覚書レベルのものにもデジタルツールを使うことはできます。しかし、後で振り返って使うことがないようなメモなら、それらの情報は検索した際の結果にいたずらに表示されることになります。

また、紙の上の情報と異なり、捨てられたり忘れられたりすることはありません。いわば、ハードディスク上のノイズとして、重要な情報と区別がされないまま保存されっぱなしになるのです。

だからこそ、買い物のメモなどの使い捨てのメモや、企画になるかどうかわからない思い付きアイデアのメモなどは、紙のメモ帳を使ってもらいたいのです。こうすればクラウド上のデータにノイズが混入する確率はぐっと下がります。

また、アナログ上でじっくり育ててからデジタルデータに起こせば、その時点でのアイデアの完成度は高くなっています。アクセス性の悪いデジタルツールでいきなり考え、起動に手間をかけてアイデアを育てるより、すばやく開ける紙のメモ帳の上で、ちょくちょくメモを追記して育てる。

そのほうが、アイデアそのものを簡単に見直せるし、膨らませるのも簡単です。なにより、アプリやソフトウェアの設計に制約されない筆記の自由度は、アイデアを制約なく膨らませるのに大きな助けとなるはずです。

デジタルメモのメリットは?

とはいえ、スマートフォンにも手軽さやスピードという点でメリットがあります。スマートフォンの名誉(?)のために付け加えれば、例えば、iPhoneなら「Hey Siriメモして」といえば、音声入力ができますし、それは純正のメモにテキスト変換されて保存されます。

ペンも不要ですし、暗いところでも音声でメモするといったことは、とても紙のメモ帳には真似できない機能です。ほかにも、メモ特集で挙げたようなメリットもあります。

パソコンが常に周りにある人は、“わざわざ紙を使う必要ある?”という感覚になるかもしれません。実際、ここまでアナログメモのメリットを力説してきた筆者も、原稿やそれに関連する作業はほとんどパソコンで作業しています。

高速かつ大量の文字入力では、パソコンのキーボードにかなうものはないでしょう。ただ、果たしてそれだけ単位時間あたりに大量の入力が求められるようなメモの必要が、毎度あるものでしょうか? そこは仕事のやり方や業務内容によって違うかもしれません。

細部は“紙”に宿る

しかし、以上のようなデジタルツールのメリットを踏まえても、アナログツールにはデジタルがまだ実現していないメリットがいくつもあります。また、うまく併用することによってデジタルデータ自体の有用性をさらに高めることにも役立ちます。

だからこそ、私はアナログのメモ帳・ノートを活用することをライフハッカー読者の皆さんにぜひオススメしたいと考えています。

次回は、具体的なノウハウについてご紹介します。

舘神さんオススメアイテム

「能率 NOLTY 手帳」(日本能率協会マネジメントセンター)

月間ブロック+大量のノートページの手帳。カレンダー付メモ帳としても利用可能。こちらの動画で紹介しています(2021年版)。2022年版も登場予定。

能率 NOLTY 手帳 2021年 マンスリー メモリーポケット 3 黒 7231 (2020年 12月始まり) 能率 NOLTY 手帳 2021年 マンスリー メモリーポケット 3 黒 7231 (2020年 12月始まり)

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Source: 新曜社

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