メタボは自己責任じゃない 弱者切り捨ての安倍政権で肥満が増える!

リテラ / 2014年12月13日 11時53分

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 10月に開かれた厚生労働省・社会保障審議会医療保険部会において、「メタボリックシンドロームを改善すると、健康保険料を減額する」という政策が検討されていることが話題になった。健康増進へのインセンティブを高め、医療費の増加を抑えることを目的としており、一見するともっともらしい取り組みに思える。

 しかし、実際には経済格差の拡大をさらに助長する巧妙な"金持ち優遇政策"であり、三党合意もどこへやら、社会保障改革を放置し、弱者の切り捨てを進めてきた安倍政権らしい一手だと断じざるを得ない。なぜなら、肥満は個人の経済状態と密接な関係にあり、消費社会研究家の三浦展氏が09年に上梓した『貧困肥満 下流ほど太る新階級社会』(扶桑社新書)によれば、「貧乏だからこそ太る」からだ。

 アメリカの貧困層が日々の食事を安価でカロリーの高いファストフードに頼り、肥満に陥る傾向があることはよく知られているが、それは日本でも同様である。三浦氏が主催するカルチャー・スタディーズ研究所が中心となり行った06年の調査によれば、20~44歳の男性に自らの"階層意識"と肥満度を示すBMI値をたずねたところ、自分が属する階層が「上」だと考えている人のBMI25以上(肥満)の割合は14.7%で、「下」だと考えている人は27.2%に上った。

 また、30~34歳男性で年収別に見てみると、700万円以上の人のBMI25以上の割合が17.9%であるのに対し、100万~150万円未満は32.3%。さらに職業別では、正社員・正規職員・公務員が23.2%、派遣社員・契約社員・嘱託が27.6%と、こちらも差がついている。さらに、父親の年収別で「子どもが肥満気味」の割合を見ると、500万~699万円では7.6%という数字だったが、300万円未満では15.2%と倍増。同書では肥満が無気力化を招くことを示すデータも取り上げられており、貧困はこれからの日本を担う世代の活力すら奪っていくのだと考えることもできる。

 おとなり韓国の最新データを見ても、貧困層に過度な肥満が多いという分析が示されている。11月9日、同国の国民健康保険公団が発表したところによると、BMI値35以上の超高度肥満率は、2002年には0.17%だったところが、2013年には約3倍となる0.49%にまで上昇。そして、所得が低く政府が医療費の補助を行う「医療給与受給権者」の超高度肥満率は1.23%となり、健康保険料を多く拠出している上位5%のグループと比較して、実に3.5倍に上ったという。

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