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引越しトラブルで多い「騒音」知っておきたい法知識

シェアしたくなる法律相談所 / 2014年3月29日 17時23分

■単純に音の大きさだけではない

もっとも、東京地裁平成21年10月29日判決では、「一般社会生活上の受忍限度を超えるものであったか否かは、加害者側の事情と被害者側の事情を総合して判断すべきであり、具体的には、(1)侵害行為の態様とその程度、(2)被侵害利益の性質とその内容、(3)侵害行為の開始とその後の継続状況、(4)その間にとられた被害の防止に関する措置の有無及びその内容、効果等を総合して判断するのが相当である」と判示されていますので、音の大きさが騒音基準法の基準値を超えれば即「受忍限度を超えて違法」かというと、そういうわけではありません。

東京地裁平成19年10月3日判決でも、「第1種中高層住居専用地域」にあるマンションの階上住人の子どもの足音につき、「ほぼ毎日本件音が原告住戸に及んでおり、その程度は、かなり大きく聞こえるレベルである50~65dB程度のものが多く、午後7時以降、時には深夜にも原告住戸に及ぶことがしばしばあり、本件音が長時間連続して原告住戸に及ぶこともあった」と認定した上、「被告は、本件音が特に夜間及び深夜には原告住戸に及ばないように被告の長男をしつけるなど住まい方を工夫し、誠意のある対応を行うのが当然」であるにもかかわらず、「その対応は極めて不誠実なものであった」として、「特に被告の住まい方や対応の不誠実さを考慮すると、本件音は、一般社会生活上原告が受忍すべき限度を超えるものであった」と判示しています。

要するに、「受忍限度」か否かは、単純に音の大きさだけでなく、騒音に対する隣人の対応等も加味して判断されているわけです。

したがって、逆に隣人から、「子供の足音がうるさい」、「テレビの音がうるさい」などと苦情を言われた場合には、子供にしっかりと注意をするとか、フローリングの上にじゅうたん敷くとか、深夜はヘッドホンで音楽を聴く等の対応をしておかないと、それだけ隣人に対し転居費用や慰謝料等の賠償をしなければならなくなるリスクも高くなると考えられますので、結局は、隣人同士できる限り誠実な対応をするということが大切であることは言うまでもありません。

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