連休で留守の借家に「強盗」大家に責任は?

シェアしたくなる法律相談所 / 2014年5月3日 9時4分

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ゴールデンウィークなどの連休で自宅のアパートやマンションを長期間留守にする場合もあると思います。

そんな時、不幸にも留守宅が強盗に遭ってしまったとしたら、借家の大家に管理責任を問うことはできるのでしょうか?

できれば少しでも被害を軽減させたいところではありますが、法律上はどうなっているのでしょう。

■貸主の義務

賃貸借契約において、貸主と借主は契約期間中それぞれ以下の義務を負います。

・貸主:借主に物件を使用収益させること(修繕が必要であれば修繕すること)

・借主:家賃を支払うこと(通常の用法で使用すること)

貸主である大家の義務は、基本的にこの「貸主に物件を使用収益させること」に尽きます。修繕義務も、修繕しなければ使用収益させる義務を履行したことにならないことの裏返しです。

ここからわかるように、大家には、借主が犯罪に遭わないようにする義務はありません。

■大家の防犯義務は?

では、鍵を全て締め切っていたのに、窓を割られたり、オートロックがなかったことが原因で犯罪に遭遇しても、大家に責任はないのでしょうか。

結論からいうと、窓の鍵やオートロックが壊れていて修繕を求めたのに大家が修繕せず、長期間放置していた場合などには、大家の修繕義務違反があるといえ、債務不履行と因果関係のある損害として、強盗被害の責任を問えることもあると考えられます。

これに対し、窓を割られたり、はじめからオートロックがなかったことが原因である場合には、大家が修繕義務を怠った結果、強盗被害に遭遇したとはいえないので、大家の責任を問うことはできないでしょう。

はじめからオートロックがなければ、大家はオートロックなしの家を貸すことを約束したにすぎず、契約違反がありませんし、窓を割られないようにすることは修繕義務には含まれません(割られた窓を直すことが修繕義務です)。

つまり、大家には防犯義務まではありません。

■自己責任?

そうすると誰にも文句をいえないのかというと、もちろんそうではなく、強盗という不法行為をはたらいた強盗犯人に損害賠償責任を問うのが法の原則です。

もっとも、逮捕でもされない限り強盗犯人を見つけ出すのは困難で、見つけ出しても、犯人に財産がなければ事実上損害賠償を回収することはできません。

いささか突き放すような内容になってしまいましたが、賃貸借契約における法律上の取り決めはこのような形になっています。もちろん、万が一の場合には大家さんへきちんと連絡・相談をするのを忘れないようにしましょう。

*著者:弁護士 星野宏明(星野法律事務所。不貞による慰謝料請求、外国人の離婚事件、国際案件、中国法務、中小企業の法律相談、ペット訴訟等が専門。)

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