銀行員が私的にお金を集めて自殺…法律上問題は?

シェアしたくなる法律相談所 / 2014年5月9日 18時2分

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りそな銀行の行員が営業先の経営者などから私的に集めた1億5,000万円を投資などに使い、消失させ、事件発覚後に行員は自殺したというニュースが話題となりました。

りそな銀行は業務外の顧客の資金運用や私的にFXを運用する事を禁止しているということですが、法律では今回の事件、何かしらの責任が問われることはあるのでしょうか?

■出資の受入れ、預かり金及び金利等の取締りに関する法律

この点、「出資の受入れ、預かり金及び金利等の取締りに関する法律」という法律があります。俗に出資法と呼ばれる法律です。

出資法は、何人であっても、元本を保証したり高額の配当を約束したりして誰彼構わず出資金を受け入れてはいけないと規定しています(同法1条)。

そして、これに違反して出資金を受け入れた者は、3年以下の懲役や300万円以下の罰金といった処罰を受ける可能性があります(同法8条3項)。

これは一般の人が出資をして損害を被るのを防ぐためです。

今回、銀行員は、顧客に「自分に出資してくれたら資産を増やす」と持ちかけたわけですから、生きていればこの出資法違反の責任を負うことになったでしょう。

■金融商品取引法

また、金融商品取引法という法律もあり、金融商品取引業について、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければできないと規定しています(同法29条)。

お金を預かってFX(外国為替証拠金取引)等で運用することも金融商品取引業にあたり(同法2条8項12号ロ)、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければできません。

金融商品取引法に違反してお金を預かってFX等で運用した場合、違反した者は、5年以下の懲役や500万円以下の罰金といった処罰を受ける可能性があります(同法197条の2第10号の4)。

今回の銀行員も内閣総理大臣の登録を受けていたとは思えませんので、金融商品取引法違反の責任も負うことになったであろうと考えられます。

FXでも株でも「絶対に儲かる」などということはあり得ません。過去に実績を上げている優秀なトレーダーであろうと損失を出す可能性があるわけです。

他人のお金を預かって運用するのはトラブルの元です。

たとえ利益を出す自信があっても止めましょう。

*著者:弁護士 冨本和男(法律事務所あすか。企業法務、債務整理、刑事弁護を主に扱っている。親身かつ熱意にあふれた刑事弁護活動がモットー。)

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