3Dプリンタ銃で逮捕 改めて知るべき「銃刀法」の基礎知識

シェアしたくなる法律相談所 / 2014年5月10日 12時2分

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3Dプリンターで製造した銃を所持していたとして神奈川県の男が銃刀法違反容疑で逮捕されました。

銃刀法について何となく知っている人は多いと思いますが、どこまでがセーフでどこからがアウトなのかをちゃんと分かっているという人は少ないのではないでしょうか?

今回はそんな銃刀法について今一度おさらいをしてみたいと思います。

■「銃砲」「刀剣類」の規制の内容

「銃刀法」の正式名称は、「銃砲刀剣類所持等取締法」です。

この法律では、2条で「銃砲」及び「「刀剣類」を定義し、3条で、一定の例外を除いて、2条で定義した銃砲刀剣類の所持を禁じています。警察官等の一定の職業に従事している人、銃刀法の他の規定や他の法律によって所持が認められる人以外は、各都道府県の公安委員会から、所持しようとする銃砲刀剣類ごとに許可を得ない限り、銃砲刀剣類を所持することはできません。

公安委員会からの許可を得ずに「銃砲刀剣類」を所持した場合には、罰則が科されることとなります。3Dプリンタを用いて樹脂製の拳銃を作成した大学職員は、法律上例外的に拳銃が所持できる立場になく、かつ、公安委員会からの許可も得ていなかったため、銃刀法違反として処罰の対象となり、警察に逮捕されたのです。

■包丁やナイフなども規制の対象

銃刀法は、拳銃や刀など元々武器として作られた銃砲刀剣類の所持のみを規制しているわけではありません。私たちが日常的に使用している包丁やナイフの所持についても規制しています。

銃刀法22条は、原則として、業務その他正当な理由がない場合には、刃体の長さ6センチメートル以上の刃物を携帯してはならないと定めています。「6センチ以上の刃物」には、包丁、ナイフ、はさみなども当然に含まれます。このように日常的に使用する刃物類であっても、刃体の長さが6センチ以上になれば、人の身体や生命を傷つける危険性があるため、銃刀法は規制をしているのです。

「携帯」が禁止されるのは、「業務その他の理由がない」場合に限られます。例えば、料理に使う包丁を自宅や店舗に保管しておく、学校の美術の授業で使用するために自宅からはさみやカターナイフを持って出る場合などは、禁止の対象となりません。

禁止の対象となる典型的なケースは、人を殺す、脅す、強盗をするために包丁やナイフを自宅などから持ち出す場合です。ナイフや包丁を使った殺人事件や強盗事件で、殺人罪や強盗罪の他に「銃刀法違反」という罪名がつくのは、主にこのようなケースです。

■銃刀法以外の規制について

気をつけなければならないのは、刃物の携帯は、銃刀法違反に該当しなくても、軽犯罪法違反に該当しうる場合があることです。

軽犯罪法1条2号は、正当な理由なく刃物を隠して携帯する行為について、拘留・科料という処罰を科すと定めています。刃物の長さは、問題となりません。刑罰自体は、1日以上30日未満の身体拘束(拘留)、1,000円以上10,000円未満の金銭の支払い(科料)とごく軽いものですが、例えば護身用として小型のナイフを隠し持っている場合も処罰の対象となるので、注意が必要です。
*著者:弁護士 寺林智栄(琥珀法律事務所。2007年弁護士登録。法テラスのスタッフ弁護士を経て、2013年4月より、琥珀法律事務所にて執務。)

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