「ラーメン屋」の隠語で呼ばれたお店が摘発…ノミ行為とは一体何なのか

シェアしたくなる法律相談所 / 2014年5月13日 21時2分

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大阪市西成区のあいりん地区で「ノミ行為」をしたとして暴力団関係者が逮捕される事件がありました。ラーメン屋を改装した店内で、「ラーメン屋」という隠語で呼ばれていたということです。

お店を隠語で呼び、逮捕までされる「ノミ行為」とはどんな行為でなぜダメなのでしょうか。

■ノミ行為って何?

ノミ行為とは、簡単に言うと非公認で競馬、競輪等の公営ギャンブルを主催することです。具体的には、私設のギャンブル場を開設し(「ノミ屋」と言います)、実際に開催されているレースを使用して、賭け金を受け取り、当たった人に配当するということを行うことです。

ナニワ金融道という漫画を読んだことがある方なら記憶にあると思いますが、漫画の中で、倒産した元地上げ屋の社長が夜逃げした後、ノミ競馬の代金の回収をやっているシーンが描かれていました。あれがノミ屋、ノミ行為です。

なんでノミ屋と言われているのかですが、警察が現場に踏み込んできたときに、証拠となる馬券等を飲み込んでしまうのでノミ屋と言われるようになったとか、客の賭け金を持ち逃げして「飲んで」しまうからノミ屋と言われるようになったなど、語源は諸説あるようです。

もちろんノミ行為は違法行為であり、主催者側、客側双方とも刑事罰を科せられます。このノミ屋ですが、ほとんどのケースで暴力団の資金源となっているそうです。そのため、警察当局では厳しく取り締まっているのです。

■ノミ屋が存在する理由・ノミ行為をする人がいる理由

では、なぜノミ屋を開設し、ノミ行為をするのでしょうか。公営の競馬場や競輪場であれば逮捕される危険はないのに、わざわざ逮捕されるリスクがあるノミ屋に行き、ノミ行為をするのはなぜでしょうか。実はこれにはちゃんとした理由があります。

通常の公営ギャンブルでは、賭け金のうち配当に回る金銭は約75%とされています。残りの25%はどこに消えてしまうかというと、もちろん従業員の給料や施設の維持費、その他もろもろの経費に回されます。ところがノミ屋は騎手や選手に給料を支払う必要がありませんから、25%もの金銭を天引きする必要がないのです。逆に言えば、客としては配当に回る金額が増えれば増えるほど儲かる可能性が高くなります。そのため、逮捕されるリスクを考えてもノミ屋の方がいいという人がいるのです。

その他にも、わざわざ競馬場に出向いて馬券等を購入しなくても電話一本で受け付けてくれたり、また賭け金は後払いとしてくれたりと、皮肉なことにノミ屋は公営のギャンブルより何かと便利で、客にとって都合がいいサービスが多々あるのです。そのため、ノミ屋はなくならないのです。

■なんぜ暴力団が関与するの?

もっとも公営ギャンブルではないため、客自身も後払いの賭け金を支払わなかったり、指定した番号をしらばっくれたり、逆に客の勝ち金を支払わなかったりと、トラブルも頻発します。もちろんノミ屋は違法な存在ですから、トラブルがあったとしても警察になど絶対に相談できません。ですので、どうしても暴力団という組織を使わないとトラブルが解決できないのです。言い換えれば、ノミ屋と暴力団はセットで存在するもの、とも言えるでしょう。

いずれにせよ、違法行為であることは間違いありませんので、ノミ行為には十分注意するようにしましょう。

*著者:弁護士 山口政貴(神楽坂中央法律事務所。サラリーマン経験後、弁護士に。借金問題や消費者被害等、社会的弱者や消費者側の事件のエキスパート。)

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