「空中リプライ」で中傷…宛先不明でも法律上問題になる?

シェアしたくなる法律相談所 / 2014年6月4日 20時3分

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Twitterでは「@lmediajp 昨日はありがとう!」のように発言の前に@をつける事によって誰に向けての発言かが分かるようになっています。

しかし、@をつけずに「昨日はありがとう!」と@をつけずに特定の相手に向けて発言する事を「空中リプライ」「エアリプ」などと呼びます。

エアリプで平和に会話を楽しんでいるユーザーがいる反面、名前を出さずとも誰に対してのツイートかおおよそ分かる内容で誹謗中傷を行っているユーザーもいます。

では、このような場合、エアリプをした人は責任を負うことはあるのでしょうか。


■権利侵害(名誉毀損や侮辱)をどういう見方で判断するか

名指しをしていない以上、誰のことかわからないため、名誉棄損や侮辱は成立しません…ということは当然ありません。

名誉棄損や侮辱に当たり得るかどうかについては、一般人の通常の注意と読み方をした場合に、どのように読み取ることができるのかという基準で判断していきます。

そして、ここでの「一般人」というのは、事情を全く知らない人という意味合いではなく、その議論や話に参加していたり、見ていたりして、一定の前提知識がある人を予定しています。

そのため、名指しでなくても、「あ、あの人のことだ」と他の人が分かるのであれば、名誉棄損や侮辱になり得ることになります。

■権利を侵害していると言えるものは?

では、法的に問題となる誹謗中傷とはどのようなものでしょうか。

刑事的には、人の社会的評価を低下させるようなものが名誉棄損や侮辱とされます。

両者の違いは、事実を述べているかどうかという違いです。たとえば、「バカ」、「頭が悪い」などは意見や感想などで、事実を指摘しているわけではないので侮辱になります。

ここで注意しなければならないのは、「人の社会的評価を低下させる」ことが必要ということであり、主観的に不快になるだけでは足りないということです。

■民事的には主観的に不快な場合も保護され得る

しかし、主観的に不快であるということが刑法で保護されないとしても、民事的には「名誉感情」が侵害されたとして保護され得ます(損害賠償などを求めることができます)。

ただし、名誉感情は人によって異なるため、何でも保護するわけにもいきません。そこで、誰であっても名誉感情を害されるような、看過し難い、明確、かつ程度の甚だしい侵害行為が必要であるとされています。

これに当たるかどうかはケースバイケースではありますが、Twitterを見ていると議論がヒートアップして人格攻撃に走っている人は多々見受けられます。

たかがTwiterなどと考えていると痛い目を見ることになりかねないので、発言には注意を払うべきでしょう。

*著者:弁護士 清水陽平(法律事務所アルシエン。インターネット上でされる誹謗中傷への対策、炎上対策のほか、名誉・プライバシー関連訴訟などに対応。)

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