「早く結婚しろ!」セクハラ発言自体は法的に問題ないのか

シェアしたくなる法律相談所 / 2014年6月26日 18時3分

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「早く結婚しろ」「子供産めないのか」などのセクハラやじが都議会にて飛び交い、犯人探しを盛大に行うという騒動がありました。

発言主は本人の前で謝罪し、一段落ついたということですが、そもそもセクハラ発言をすること自体に法的な問題はないのでしょうか?

■セクハラとは

セクハラの基礎については、「あなたも会社も悲惨な目に「セクハラ」防止の法知識」の記事が大変わかりやすく解説していますので、割愛します。

視点を変えて整理すると、「セクハラ」という犯罪があるわけではなく、「セクハラ」という不法行為類型があるわけでもなく、要するに受忍限度を超える性的嫌がらせについては、刑事上の強制わいせつや迷惑防止条例の痴漢行為に至らなくとも、民事上一般的な不法行為として、損害賠償責任が発生します。

セクハラは、職場で問題になることが多いですが、それ以外の場でも、セクハラ(強制わいせつや痴漢ではないが性的な嫌がらせ)という不法行為が成立することはあります。

■都議会でのやじ

議員は、議会との間に会社と従業員のような雇用関係があるわけではなく、議員同士の関係も会社内の同僚とは少し違うでしょう。

しかし、セクハラによる不法行為は、職場に限られませんので、当然、「早く結婚しろ」「子供産めないのか」などの発言は、議会でのやじであっても、不法行為が成立します。

また、「セクハラ」という括りでなくても、民事上も名誉棄損の不法行為として損害賠償責任が発生するでしょう。

■名誉棄損罪

議会という公共の場で、「早く結婚しろ」「子供産めないのか」などと中傷する行為は、相手の社会的評価を公然と低下させることが明らかですので、刑事上も、名誉棄損罪もしくは侮辱罪に問われる可能性もあります。

■国会議員だったら?

憲法51条には、国会議員は、議院で行った演説、討論、評決について、院外で責任を問われないという規定があります。

国会内での自由な討論を保障し、不適切な発言については、三権分立の観点から「院内」の懲罰だけで対処し、司法や行政の干渉を受けないようにすることが目的です。

やじであっても、憲法51条が適用されますので、職務に関係するやじであれば、議会外で民事及び刑事の責任に問われないでしょう。

しかし、本件のようなセクハラやじについては、職務と無関係ですので、憲51条の適用はなく、国会議員であっても、議会内の懲罰に限られず、民事もしくは刑事上の責任も問われる可能性があります。

*著者:弁護士 星野宏明(星野法律事務所。不貞による慰謝料請求、外国人の離婚事件、国際案件、中国法務、中小企業の法律相談、ペット訴訟等が専門。)

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