ダフ屋はアウトでオークションはセーフ?の謎を弁護士が解説

シェアしたくなる法律相談所 / 2014年7月25日 12時3分

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関東も梅雨が明け、これから夏フェスやライブイベントが各地で盛んに行われる季節となります。

しかし、行きたいイベントの抽選が外れてオークションで買ったり会場前でダフ屋から買ったり…なんてこともあるのではないでしょうか。

そこで今回は、この時季に多発するダフ屋について、ネットオークションとの関係についても触れながら、お話しすることとします。

■ダフ屋の意味と抵触する法律について

ダフ屋とは、売れ筋のチケットを転売する目的で入手し、これを入手希望者に対して売りさばくこと、あるいはこのようなことを行う不正業者を指します。チケットや券を意味する「札(ふだ)」を逆にした俗語と言われています。

元々、ダフ屋は戦後の食糧難時代に、価格つり上げによる配給チケット買占めを防ぐために物価統制令で禁じられていました。現在では、多数の都道府県におい て迷惑防止条例により禁じられています。迷惑防止条例中で禁じていない地域においては、現在でも、物価統制令によって規制されているようです。

迷惑防止条例は、各地で文言が多少異なりますが、概ね、公共の場所や公共の乗り物において、チケットを転売などしたり、あるいは転売の目的で付きまとうことなどが禁止の対象となっています。この「公共の場所」について、東京都迷惑防止条例では、「公衆に対して発売する場所」も含むと明示されており、他の地域においても、明文はなくても同様に理解されていると考えられます。

近年はダフ屋の取り締まりが厳しくなっていますが、チケット交換所をライブ会場等から離れた場所に設けるなど、巧妙な手口で生き残りが図られています。やはり、する側としては、発覚のリスクを考慮してもなお、利益の大きさが魅力であると考えられます。

■ネットオークションは「ダフ屋」として禁止されないのか

現在までのところ、ネットオークションそれ自体が「ダフ屋」行為とみなされて、摘発されたという事例は確認されていないようです。

実際に、今年の1月、ネットオークションを利用した宝塚の公演チケットや人気アーティストのライブのチケットを転売して総額5,000万円以上の利益を挙げ たというケースにおいて、「ダフ屋」行為として摘発されたケースがあります。しかし、この事例で問題となったのは、コンビニエンスストアの先行予約を利用 して転売目的でチケットを購入した点にあり、ネットオークションで売りさばいたこと自体が「ダフ屋」行為とみなされたわけではないようです。

かつて「ダフ屋」は暴力団の資金源とされていましたが、このようなネットオークションを利用する「ダフ屋」行為を行うのは、一般市民であることがほとんどであり、「シロダフ」などと呼ばれているようです。

<追記>

今回の記事につきましては、当初、ネットオークションそれ自体がダフ屋に該当するとみなされて摘発された事例があると記載しておりましたが、誤りではないかという指摘が寄せられ、再度検討したところ、誤りであることが判明し、記載を一部修正いたしました。

ご指摘くださった方にお礼を述べるとともに、調査不足により不正確な記載をしたことを心よりお詫び申し上げます。

*著者:弁護士 寺林智栄(琥珀法律事務所。2007年弁護士登録。法テラスのスタッフ弁護士を経て、2013年4月より、琥珀法律事務所にて執務。)

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