「日本人は車から降りろ」野口健さんが韓国で受けた差別の法的な問題点とは

シェアしたくなる法律相談所 / 2014年7月24日 21時2分

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野口健さんがツイッターにてつぶやいた内容が話題となっています。

韓国訪問の時にタクシーに乗っていたら運転手に「日本人か?」といわれ、「そうだ」と答えたら「車から下りろ」と。そのクセに「金は払え」と。頭にきて一銭も払いませんでしたが。当たり前でしょ

と、日本人差別に遭い、乗車拒否をされた話をし話題になっています。

日本でこのような行為はないと思いたいのですが、もし日本でこのような行為が合った場合、法的にはどのような問題があるのでしょうか。

■サービス拒否は違法行為となる可能性がある

憲法14条では、「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」と規定されています。

社会に存在する様々なサービス提供の場において、外国人であることのみをもって他の利用者と差別することは、人種による社会的関係における差別に該当します。

ただし、憲法は、直接には国家権力による差別を禁止しているだけですので、民間事業者が外国人を差別して利用拒否しても、直ちに「憲法違反だ」ということにはなりません。

もっとも、過去の判例では、憲法の差別禁止の精神は、私人間、つまり民間事業者とその利用者である外国人の法律関係にも及ぼすべきだと考えられているので、不法行為などの形で私人間の法律関係にも影響します。

具体的には、民間のサービス提供事業者が、外国人であることだけを理由に、そのサービス提供を拒否することは、正当な理由(例えば、遊園地のジェットコースターの規格に体格が適合せず危険が伴うなど)がない限り、不法行為として、慰謝料支払いを命じられる可能性があります。

ただし、施設やサービスの利用ルールを守らない場合には、外国人であることを理由に拒否をしているわけではないので、違法とはならないでしょう。

また、設備の規格に物理的に体格が適合しない場合にも、危険回避のための利用拒否なので、違法性はないでしょう。

■まともにサービスしない

外国人に対し、明白な利用拒否はしなくとも、まともなサービスをせずに料金のみを徴収することも違法行為となります。

この場合は、憲法の差別禁止の精神を持ち出すまでもなく、利用者が料金を支払ったにもかかわらず、合意したサービスを履行しないことを理由に、債務不履行となり、料金相当の損害賠償請求が認められる可能性があります。

■「○○人なら出ていけ、車から降りろ」

このような発言を外国人に投げかけることは、刑事上の侮辱罪が成立する可能性があります。

過去には、外国人であることを理由に浴場の入浴拒否をすることは違法と判断した裁判例もあり、日本で同じことをすると、場合によっては差別を受けた外国人から損害賠償請求されることもありえます。

*著者:弁護士 星野宏明(星野法律事務所。不貞による慰謝料請求、外国人の離婚事件、国際案件、中国法務、中小企業の法律相談、ペット訴訟等が専門。)

*画像は野口健さんのツイートのスクリーンショット

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