原稿1記事書いて100円…ネットに蔓延する格安依頼に違法性は?

シェアしたくなる法律相談所 / 2014年8月30日 21時3分

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ネットで簡単に仕事の依頼をする事が出来る環境になりました。

原稿の執筆であったり、デザイン、諸々の設計などなど色々な仕事の依頼が行われていますが、中には「原稿1記事書いて100円」「イラスト1枚で100円」など異常な安さで仕事の依頼を出している業者もいます。

仕事量を考えれば数分で出来る様な内容ではなく、最低1時間は余裕でかかるであろう内容もありますので、2時間かかった場合は時給換算50円となってしまうわけです。では、なぜ最低賃金法に触れないのでしょうか。

そしてその様な依頼をする方にも問題はないのかについて解説します。

●最低賃金とは何か

最低賃金法は、労働者を守るための法律です。労働者とは企業と雇用契約を結び雇用されている人のことです。ネット上の仕事の依頼を単発で受け役務を提供する人は、労働者とはみなされないのが原則です。従って、最低賃金法が適用されません。

しかし、通常数時間かかる仕事の単価が100円というのはあまりにも安すぎます。

企業が仕事を発注する際、単価が最低賃金を割るような場合は、違法な買いたたきとして下請法の適用を受けることがあります。

●下請法とは

下請法とは、下請取引の公正化・下請事業者の利益保護を目的とした法律であり、公正取引委員会が所管します。

自社の労働者であれば、最低賃金法の適用を受けるような仕事を外部に発注することは、この下請法に抵触する可能性があります。

ただ、下請法の適用を受ける仕事には種々の制限があります。例えば、弁護士に事件を依頼するとき、いくら安く買いたたいても下請法に抵触しません。

ネットで発注される仕事には種々のものがあります。そのどれが下請法の適用を受けるかは、公正取引委員会のホームページを参照して下さい。

上記のホームページを見ると、コンピュータープログラムやアニメーション等の作成を依頼するコンテンツビジネスも、下請法の適用を受けます。

下請法の適用を受ける仕事に関し、安すぎる仕事を発注する企業がある場合、絶対に受注しないことです。受注せずに公正取引委員会に訴えれば良いと思います。公正取引委員会に対する訴えをした人のプライバシーは守られるようになっています。

受注する人がいる限り、このような違法な発注はなくならないと思います。

*著者:弁護士 星正秀(星法律事務所。離婚、相続などの家事事件や不動産、貸金などの一般的な民事事件を中心に、刑事事件や会社の顧問などもこなす。)

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