知らないではマズイ 正しい「引用」や「翻訳」のルールまとめ

シェアしたくなる法律相談所 / 2014年9月15日 12時6分

写真

最近、ネット上で人気の記事や話題性のある写真などを紹介する、いわゆるバイラルメディアが人気となっていますが、記事の盗用が発覚するなどの問題も起きています。

「引用」だったら問題ないはず…と思うかもしれませんが、色々なルールがあり、引用の条件を満たしていないコンテンツも多々あるように思います。

そこで、他人の公開した記事や写真などを使用する場合に、注意が必要な法律問題ついて基本的な「引用」と「翻訳」について解説したいと思います。

■インターネット上で無料公開されている記事や写真にも著作権がある

そもそも、インターネット上で公開された記事や写真は、基本的に、著作権法上保護される著作物にあたると考えた方がよいです。

著作物とは「思想又は感情を創作的に表現したもの」ですが、文章の作成は創造的な作業が必要ですし、写真は主題・被写体・アングル等で創造性が含まれてくるためです。

そして、著作権は特に申請などは必要なく、著作物を作成した人に自動的に発生します。著作権があるものについては、それを著作者の承諾なく、勝手に利用することは原則としてはできないということになります。

■承諾なく著作物を利用できる場合とは

承諾なく著作物を利用する方法としては、引用(著作権法32条1項)ということが考えられます。
引用が認められる要件は以下のとおりです。

1 公表された著作物であること
2 公正な慣行に合致すること
・引用の必要性があること
・どの著作から引用されたものなのか明示されていること
・著作者の意に反する改変をしていないこと
・その分野の慣行に従っていること
3 目的が正当な範囲にあること
・引用された部分が明確であること
・引用する側が「主」で、引用される側が「従」といえる関係にあること

ちなみに、「転載禁止」などと明示されていても、この要件を満たしていれば引用をすることが可能です。

■英語記事の翻訳も危険

バイラルメディアでは、英語で表記された海外のウェブサイトの記事を勝手に翻訳して掲載している例もあるようですが、これは出典が明示されていないことも多く、「引用」には当たらないことが多いでしょう。

また、このような英語記事を勝手に翻訳することは、翻訳権(同法27条)も侵害することになりかねません。

そして、勝手に書いてあることを変えてしまうと、同一性保持権(同法20条)の侵害になります。

適法に引用をするには、独自取材などをして記事を構成して、それとの比較検証等のために他の記事を用いる、などということが必要です。

インターネット上の記事がこのような要件を全て満たしているかというと、実際上はかなり問題があると言わざるを得ないものが多いように思います。

しかし、だからといってルールを守らなくて良いというものではないということは再確認するべきでしょう。

*著者:弁護士 清水陽平(法律事務所アルシエン。インターネット上でされる誹謗中傷への対策、炎上対策のほか、名誉・プライバシー関連訴訟などに対応。)

*画像は最も人気のバイラルメディア「BuzzFeed」のスクリーンショット

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