不倫を奨めるSNS「アシュレイ・マディソン」は違法ではないのか?

シェアしたくなる法律相談所 / 2014年10月21日 21時6分

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「アシュレイ・マディソン」という不倫専門のSNSサイトが話題になっているのをご存知ですか?

既婚者を対象にして、「不倫」を斡旋したり、推奨する出会い系のサービスです。

日本では100万人以上が使っているとも言われ、世界ではさらに多くの人々が使っているとされています。

しかし、不倫を奨めることに対して法律上問題ないの?と思う方も多いのではないのでしょうか。

そこで、今回は、このようなサービスは法律上問題がないのかどうかについて検証してみます。

●刑事上の責任は?

まず、現行法では、不倫は犯罪ではありませんので、それを斡旋したり、推奨したりしても、サイト側は刑事上の責任を問われることはありません。

ちなみに、以前の日本には、夫以外の男性と不倫をした妻にのみ成立する「姦通罪」という犯罪がありました(昭和22年に廃止)。
●民事上の責任が問われる可能性は高い

ご存じのとおり、配偶者のある人が、配偶者以外の異性と性行為(不倫)をした場合には、他の配偶者に対する不法行為(民法709条)が成立し、損害賠償の責任を負います。

そのため、既婚者が、「アシュレイ・マディソン」を通じて知り合った異性と不倫をした場合、当該既婚者及び不倫相手は、当該既婚者の配偶者に対して不法行為に基づく損害賠償責任を負うことになります。

そして、他人をそそのかして不法行為をさせた者(教唆者)や、場所や道具等を提供して他人が不法行為をするのを容易にした者(幇助者)は、共同不法行為の責任(民法719条2項)を負うことになります。

この点、「アシュレイ・マディソン」というサイトは、「人生に一度。不倫をしましょう。」などとHP上で謳い、主に既婚者に対して、不倫をするようそそのかしたり、不倫をするための出会いの場を提供して、不倫を容易にさせているともいえるので、不法行為の教唆あるいは幇助の責任に問われる可能性は十分にあると考えます。

●サイト側の言い分は?

同サイトの運営会社の代表者は、日本のメディアのインタビューに対して、自分たちは、利用者に対して単なるコミュニケーションのプラットフォームを提供しているだけで、不倫をすることを最終的に決断しているのは利用者自身なのだから、サイトは一切責任を負わない、と回答していました。

しかしながら、単にコミュニケーションのためのプラットフォームを提供しているに過ぎない場合であっても、対象者を既婚者に絞って、不倫をするための出会いの場を提供することで、不倫を容易にさせているということができるので、サイト側が不法行為の幇助の責任を一切免れることは難しいでしょう。

*著者:弁護士 理崎智英(高島総合法律事務所。離婚、男女問題、遺産相続、借金問題(破産、民事再生等)を多数取り扱っている。)

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