有名美容外科に集団訴訟が相次ぐ…ところで「集団訴訟」って何?

シェアしたくなる法律相談所 / 2014年10月31日 12時6分

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「フェースリフト」と呼ばれる、シワやたるみをとる美容手術を受けたことにより、顔の痛みが取れなくなる被害に遭った人ら58人が有名美容外科に対して、損害賠償を求める集団訴訟を起こしました。

これ以外にも集団訴訟は時折起こされ、ニュースなどでも取り上げられます。しかし、集団訴訟を起こしたことは分かっても、集団訴訟って何?ということはなかなか知られていないかもしれません。

そこで今回は集団訴訟とは何ぞや?ということについて解説してみますね。

■集団訴訟とは

通常、訴訟は、原告1名対被告1名で行われます。

これに対し、原告もしくは被告が複数いる訴訟や、補助参加人もしくは独立当事者として第三者が訴訟にいる場合を多数当事者訴訟と呼んでいます。

多数当事者訴訟のなかでも、特に被害弁護団が結成され、被害を受けた消費者や労働者がみんなで集まって原告となり、同時に、同一の手続で審理してもらう提訴方法を集団訴訟と呼ぶことが多いです。

集団訴訟は、法律上の用語ではなく、一般に利害関係を同じくする原告が多数集まって同時に訴訟提起する場合に、マスコミで呼ばれるものです。

■どういうメリットがあるか

集団訴訟をするのは、原告被害者の救済が法理論的に難しい場合や、加害業者から賠償を得ることが難しい場合が多いようです。

原告1名で提訴するより、社会問題としてマスコミにも取り上げられ、被害の深刻さを裁判所に実感してもらうという事実上の効果があるでしょう。

個別に提訴するよりも、同一の法律上の争点について共通の主張ができ、1名では難しい証拠集めも、他の原告と共同で収集することができ(他の原告が持っている証拠を援用するなど。)、立証のための証拠集めも行いやすくなります。

弁護士費用についても、主張や証拠提出を流用できるので、それぞれ単独で訴訟した場合の合計額よりは抑えられます(負担が大きくなるので当然原告1名「だけ」のときよりは高くなります)。

■集団訴訟のデメリット

勝訴判決に向けて行動するという観点からは集団訴訟のデメリットはなく、国相手であれば、大きなデメリットはないでしょう。

他方、消費者被害の事案で事業者が倒産しかかっている場合には、多数原告で勝訴した場合、1人あたりの配分が減る可能性があります。

倒産すれば結局は同じことなのですが、倒産しない場合には、事業者の資産を勝訴した多数被害者で分けることになります。

集団訴訟は、社会に知らせるインパクトが大きく、立証面でメリットもありますが、共同原告同士での潜在的な利害対立のおそれ等、訴訟戦術上難しい問題もありますので、弁護士の意見を聴き、よく協議する必要があります。

*著者:弁護士 星野宏明(星野法律事務所。不貞による慰謝料請求、外国人の離婚事件、国際案件、中国法務、中小企業の法律相談、ペット訴訟等が専門。)

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