政治資金で「SMバー」 実は法的に問題ない

シェアしたくなる法律相談所 / 2014年11月5日 12時7分

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連日、政治活動資金について様々な問題がテレビや新聞で取り上げられ、大臣の辞任などまで発展しています。

その中でも宮沢経産相の資金管理団体が「SMバー」への支出があったことに関してはマスコミがセンセーショナルに取り上げていますが、SMバーに政治資金を使用することは法的に見てどうなのでしょうか?

また、SMバーでの支出を「交際費」として記載した点についても合わせて検証してみます。

●政治資金規正法で禁止していること

政治資金規正法では、政治団体の収入、支出及び資産等を記載した収支報告書の提出を政治団体に義務付け、政治資金の収支の状況を国民の前に明らかにすることを定めています。

さらに、政治活動に関する寄附について、対象者による制限や、量的、質的制限も定めています。

小渕元経産相や松島元法務相の辞任は、これらの規制に違反したことが原因です。収支報告書の虚偽記載は、5年以下の禁錮、100万円以下の罰金に処せられる可能性があります。

●お金の使い道は基本的に自由

今回、マスコミでは、SMバーに支出したことを問題視しています。

これには、政治活動資金をSMバーというおよそ政治活動と関係がなく、国民の利益に全くならない用途に使用したという意味での問題と、「交際費」としての支出記載が不正確で不実記載になりかねない、という2つの問題があります。

1つ目の点については、政治資金の原資にもよりますが、使途が限定されていないものであれば、何に使おうが、それ自体は問題ありません。

しかし、政治活動と無関係なSMバーへの支出を「交際費」として収支報告書に記載した点は、法的にも問題となりえます。ただし、故意に不実記載したのではなく、訂正もしているのであれば、基本的には政治責任が残るのみで、法的に違法とはいえないでしょう。

この点で、禁じられた寄付行為をした可能性がある小渕元経産相や松島元法相などの場合とは、大きく異なります。

●他の規制

政治資金規正法では、赤字会社の寄付、外国人・外国法人からの寄付、他人名義の寄付の受け取り等を規制しています。

いずれも、政治資金の透明性や廉潔性を保持し、政治家が不当な影響を受けないようにするための予防措置です。政治献金の額の量的制限もあり、アメリカなどに比べると、日本の政治活動は今でも規制が非常に多く、自由度は低いといえます。

*著者:弁護士 星野宏明(星野法律事務所。不貞による慰謝料請求、外国人の離婚事件、国際案件、中国法務、中小企業の法律相談、ペット訴訟等が専門。)

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