恋人の身元調査は「交際したらすぐ」した方が良い!

シェアしたくなる法律相談所 / 2014年11月28日 19時37分

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最近、前夫との死別の経歴を隠して再婚し、再婚後の夫を殺害して多額の財産を取得したという事件の報道がテレビや新聞で連日のように報道されています。

このようなことを聞いてしまうと、夫や妻、付き合っている相手の過去の婚姻歴や離婚歴を調べた方が良いのではないかと疑心暗鬼になってしまう方もいるのではないでしょうか?

今回は、多くの男女問題を扱ってきた経験から、身元調査についてするべきかどうか、どのような問題があるのかなどについて解説したいと思います。

●身元調査は交際当初にするのが理想

身元調査と言えば結婚前にするものと考えがちですが、実際私が扱ってきた案件から考えると、そもそも相手方の身元調査は、交際した当初からする必要があります。

例えば女性がある男性と交際する際に、男性は既婚者であるにも関わらずそれを隠して交際するというケースは、実は結構多いのです(もちろん男性に限ったことではありませんが)。

相手方が独身であると信じていたにも関わらず、ひょんなことから既婚者であることが判明した場合、その女性は非常にお気の毒で、男性にだまされた被害者のように思われますが、実は法律的な評価としては、その女性は不貞行為(いわゆる不倫)をした加害者として、男性の妻に慰謝料を支払わなければならないのです。

男性の言葉を信じて既婚者であることを知らなかったとしても、調査をすれば知ることはできたであろうから、女性に過失があるとして妻に慰謝料を支払う判決が出される可能性が非常に高いのです。

もちろん、交際を始めるときに「戸籍謄本を出して」などとは当然言えないでしょうから、交際を始める時点で身元調査しなければならないわけではありませんが、数か月交際して、例えば自宅には絶対呼ばないとか、連絡が来るのが必ず深夜とか、休日に会うことが全くないなど、通常の交際ではありえないような状況があるようであれば、法律上は相手方が既婚者であるかどうか調べなければならないのです。

●「戸籍のクリーニング」が出来る

次に結婚の際ですが、婚姻届を役所に提出する際は、どちらかが既婚者であれば婚姻届は受理されませんから、婚姻届が無事受理されれば問題ありません。

ところが、冒頭の事件のように、過去の婚姻歴を偽っているということも結構多くあるそうです。戸籍謄本を見れば婚姻歴、離婚歴は一目瞭然ではないかと思われる方もいらっしゃると思いますが、実はそうではありません。

本籍地というのは自由に移すことができるのですが、本籍地を移すと、移す前の戸籍に記載されている事項は、移した後の戸籍には記載されません。これは結婚詐欺師などがよく使う手口で、俗に戸籍のクリーニングなどと言われますが、過去の婚姻歴、離婚歴を完全に調べるためには、出生から現在までの過去の戸籍(これを除籍謄本と言います。)をすべて調べる必要があるのです。

交際や結婚という人生の中で大切なイベントの際に、相手方の身元調査をしなければならないというのは何とも世知辛い世の中だと思いますが、過去に私が取り扱った事件から見ると、無用なトラブルに巻き込まれてしまう方は身元調査を怠った方です。自分を守るという意味で、最低限の身元調査は行っておくべきではないでしょうか。

*著者:弁護士 山口政貴(神楽坂中央法律事務所。サラリーマン経験後、弁護士に。借金問題や消費者被害等、社会的弱者や消費者側の事件のエキスパート。)

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