体罰は違法か教育か…法的に見た「線引き」はどこから?

シェアしたくなる法律相談所 / 2014年12月27日 19時37分

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2012年12月、大阪市立桜宮高校のバスケットボール部の生徒が、顧問から体罰を受けたことを苦にして自殺した事件がありました。

報道によると、試合で納得のいかないプレーをしたとして、顔を数十回殴打し、全治3週間のケガを負わせるなど、指導者としての立場を利用し、恒常的に生徒へ暴力を加えていたようです。そこまで異常ではなくとも、学生時代に部活動などで体罰を受けた経験があるという方も多いのではないでしょうか。

最近の教育現場では、昔に比べて教師が体罰を与えることに厳しくなったといわれていますが、スポーツ指導において行われる体罰はどこまでが教育で、どこからが犯罪になるのでしょうか。

また、スポーツ指導と一口にいっても、プロに対するものや学生に対するものなど様々ありますが、指導する対象が違えば指導方法の許容範囲も異なるのでしょうか。

■違法となる場合がある

最近、社会問題となっているように、学校現場での部活動であるか、オリンピック強化選手候補であるか、はたまたプロスポーツであるかに関わらず、行き過ぎた指導は法律上、暴行罪や傷害罪の要件に該当し、犯罪となる場合があります。

また、民事上も不法行為による損害賠償責任を負い、慰謝料等を請求できる場合があります。

■学校現場での指導

スポーツ現場の行き過ぎた指導として違法となるか否かの基準は、学校現場での指導とプロスポーツやそれに準じるオリンピック候補の指導ではやや異なると考えるべきでしょう。

学校での部活動は、あくまで教育(義務教育)活動の一環であり、それに伴い、教育上の必要性や相当性という観点から、指導方法には限界があります。

具体的には、教師のもつ学校教育法上の懲戒権の行使として相当な範囲内でなければならないのは当然として、体力強化や技能向上とはおよそ関係ない態様での暴力行使は、基本的に違法と考えられます。

具体的には、試合に負けたことを理由に走り込みをさせたり、通常よりも長く反復練習を繰り返すといったことは、熱中症など健康面への危険がない範囲では基本的に適法といえるでしょう。

これに対し、選手の顔面を手拳で殴打する、蹴り飛ばすといったことは、現代では違法とされる可能性があります。

■プロスポーツ

オリンピックの強化指導選手やプロスポーツでは、違法性の考え方がやや異なります。

学校現場とは異なり、オリンピックやプロスポーツでは、教育目的が存在しません。

プロスポーツであれば、自己の自由意思により、職業として競技をしていますし、アマチュアのスポーツ選手でも、少なくとも自己の自由意思により競技をしていることは同じです。

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