警察による「自白強要」が刑事事件として扱われない3つの理由

シェアしたくなる法律相談所 / 2015年6月14日 21時16分

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違法な取り調べが行われたとして有名な「袴田事件」を知っているでしょうか。

放火殺人などの罪に問われた容疑者の袴田さんは、取り調べが始まってから19日間、無実を主張し続けていました。しかし、1日12時間を超える連日の過酷な取り調べや、睡眠をとらせないなどの嫌がらせもあり、20日目に犯行を自供してしまいます。

この他にも警察官が取り調べ中のの自白を強要、暴力行為などの問題はしばしば報道されますが、警察官の違法ともいえる取り調べが刑事事件として扱われることはまずありません。それはなぜでしょうか?

もちろん、警察官の自白強要も脅迫罪、強要罪などの犯罪に当たり得ますが、以下の理由が原因で処罰されないのではと考えます。

・そもそも被疑者や弁護人が刑事責任を追及しようとしない

・刑事責任を追及しようと思っても取調べが密室で行われているため証拠がなく刑事責任の追及が困難である

・自白強要の兆しがある段階で弁護人が抗議して改善しており刑事責任を追及するまでもなくなった

この3つが大きな原因と考えられます。それでは脅迫罪、強要罪とは何か、憲法や規則ではどのような決まりになっているのか詳しく見ていきましょう。

■脅迫罪・強要罪とは?

脅迫罪は、その人やその親族の生命、身体、自由、名誉または財産に対して危害を加えることを告知して人を脅迫した者に成立する犯罪です。

強要罪は、その人やその親族の生命、身体、自由、名誉または財産に対して危害を加えることを告知して人を脅迫したり、または暴行したりすることによって、人に義務のないことを行わせたり、権利の行使を妨害したりした場合に成立する犯罪です。

脅迫罪が保護しようとしている法的な利益は、個人の安心感、安全感ないし私生活の平穏です。

強要罪が保護しようとしている法的な利益は、個人の意志決定ないし意思実現の自由です。

こうした保護されるべき法的な利益は、侵害者が警察官だからといって守られなくなる理由はありません。したがって、警察官の自白強要も脅迫罪、強要罪の要件を充たすのであれば犯罪となります。

警察の取調べだからといって違法性がなくなるわけではありません。

■自白の強要は許されず、証拠としないという決まりがある

そもそも被疑者には自白の強要からの自由があります。

日本国憲法は、「何人も、自己に不利益な供述を強要されない。」と明記しています。

日本国憲法は、「強制、拷問もしくは脅迫による自白または不当に長く抑留もしくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。」とも定めています。

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