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アグネス・チャンさんに対する殺害予告・・・5日間で犯人が特定できた理由とは

シェアしたくなる法律相談所 / 2015年9月30日 9時37分

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アグネス・チャンさんの殺害予告を書いたとして、15歳の少年の家が家宅捜索されたと報道されています。

報道によると、19日午前8時ころに殺害予告を書き込み、翌20日に渋谷署に通報され、24日には家宅捜索が終わっているようです。

このように、書込みからわずか5日程度で実質的に投稿者の特定まで至っているわけですが、なぜこのようなスピード捜査ができたのでしょうか。

■IPアドレスからの特定

書込みは匿名でされているわけなので、書込みを見ても誰が書き込んだのかは当然分かりません。そのため、接続の履歴を捜査することが必要になります。

Twitterに書込みをするということは、Twitterと経由プロバイダ(ソフトバンクなど)にその接続履歴が残るので、それを捜査するのです。

捜査の流れとしては、大まかにいえば、次の2つです。

(1)Twitterから接続履歴、ここではIPアドレスやタイムスタンプ(接続時間の記録)の開示を得る
(2)IPアドレスから判明する経由プロバイダに対して、契約者の情報開示を求める

Twitterは、名誉毀損や業務妨害といったものでは、国際刑事警察機構(ICPO)経由でないと情報提供をしないそうですが、人命にかかわること(殺害予告や爆破予告等)について、迅速性が必要ということで情報提供してくれるそうです。

今回の件も殺害予告であったので、かなり迅速な情報取得ができたものと思われます。

ちなみに、殺害予告などに当たらない場合は、警察が捜査をすることは実質的に困難で、発信者情報開示請求の裁判を起こしていくことが必要になり、期間としては1~2か月程度かかります。

■経由プロバイダからの開示

Twitterから情報を得たら、whoisというサービスを使うと(ネットで誰でも無料で利用可能です)、IPアドレスがどこのプロバイダが持っているものかということが分かります。

そこで、次にプロバイダに対して、そのIPアドレスを使った者の契約者情報の開示を求めてきます。

この手続きのためには、通常、捜索差押という強制処分が必要になりますが、これには裁判所の捜索差押許可状というものを請求する必要があります。そして、この許可状をプロバイダに提示して、情報を取得することになります。

■開示を受けた後

開示を受けた後は、契約者の情報と投稿者が必ずしも一致するわけではないので、住民票を取得するなどして、家族関係を調査することになるはずです。

そして、そのような事前の情報を取得した上で、再度、契約者の住所を対象とした捜索差押許可状を取得することになり、それに基づいて捜索差押(家宅捜索)をした、ということになります。

もしも殺害予告などをされた場合には、警察であればこのようなスピーディな捜査が可能なので、まず警察に相談をしてみるとよいかもしれません。

*著者:弁護士 清水陽平(法律事務所アルシエン。インターネット上でされる誹謗中傷への対策、炎上対策のほか、名誉・プライバシー関連訴訟などに対応。)

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