仲間内の賭け事は暗黙の了解・・・しかしなぜ「野球賭博」は大きく報道されるのか?

シェアしたくなる法律相談所 / 2015年10月15日 17時36分

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ペナントレースも終了し、あとはクライマックスシリーズ、日本シリーズを残すのみとなったプロ野球ですが、先日現役の巨人軍の選手が野球賭博に関与していたという事実が発覚し、球界に衝撃が走っています。

そもそも野球賭博とは、野球の試合で勝つと思われるチームにお金を賭ける賭博なのですが、単純に買ったチームに賭ければいいというものではなく、ハンデというものがあるようです。一例として、強いチームと弱いチームが対戦する場合は、弱いチームに2点のハンデが与えられ、強いチームが3点差以上で勝った場合に限り掛け金が倍になる、という仕組みのようです。

●開催した人物が最も重い罪となる

野球賭博はサッカーくじのように公認のものではなく、秘密裏に行われているものです。ですので、非合法であり、当然犯罪です。

単純に野球賭博にお金を賭けた人は単純賭博罪で50万円以下の罰金、常習者の場合は常習賭博罪で3年以下の懲役、野球賭博を開催した人間は賭博開帳図利罪で3か月以上5年以下の懲役と規定されており、一番罪が重いのは野球賭博を開催した人物ということになります。

とはいうものの、現実的には仲間内で賭け麻雀や賭けゴルフなどをして逮捕された人は皆無でしょう。パチンコやパチスロも公認の賭博ではありませんので、厳密に言えば刑法上の賭博罪に該当する可能性がありますが、刑事事件になったという話は聞きません。

つまりこれらの行為は事実上黙認状態であり、よほどの大金を賭けていない限り逮捕されることはまずないでしょう。ではなぜ野球賭博がこのような大きな問題になるのでしょうか。

●野球賭博が大きな問題となる理由

それは、野球賭博が暴力団の資金源になっている可能性が強いということです。野球賭博は競馬や競輪、ボートレースのような公認のギャンブルではありますので、賭博を開催し、掛け金をきっちり回収するにはそれなりの勢力が必要となります。

そこで、暴力団が野球賭博を取り仕切り、掛け金を回収し、その金銭が暴力団に流れているのです。

そして本件でさらに問題なのは、野球賭博を野球選手自身が行っているという点です。野球選手自身が野球賭博で金銭を賭け、それが自分の出る試合に賭けるとなると、当然わざと手を抜いて相手に勝たせるという「八百長」の可能性が高くなります。

実際、過去に野球賭博に手を出した野球選手が八百長を行い、球界を永久追放された事件もありました。

いずれにせよ、今回の野球賭博事件については詳細をきっちりと調査し、関係者にはしかるべき処分が下されるべきであると思います。のみならず、このような事態を防げなかった球団及び野球界全体で、再発防止に向けて具体的かつ効果的な策を考えるべきではないでしょうか。

*著者:弁護士 山口政貴(神楽坂中央法律事務所。サラリーマン経験後、弁護士に。借金問題や消費者被害等、社会的弱者や消費者側の事件のエキスパート。)

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