「深夜の迷惑な騒音」…大家が住人を追い出すことはできる?

シェアしたくなる法律相談所 / 2017年8月12日 22時40分

写真

*画像はイメージです:https://pixta.jp/

「隣の住民が深夜に音楽を鳴らしていてうるさい!」

住民のかたから、大家さんや賃貸物件管理会社のもとへはこんな苦情が届きます。こんなとき、あなたが大家さんだったら、どのように対処しますか?

多くの場合は、苦情元となっている住民からヒアリングを行い、必要に応じて注意喚起をすることになるでしょう。

でも、注意しても一向に改善されない、むしろ、対抗するかのようにひどくなっていくような場合には、法的な手段を考えていく必要があります。

そこで、迷惑行為に対抗する一手段としての賃貸借契約の解除(追い出し)が可能かについて考察してみます。

■そもそも迷惑行為をしている賃借人を追い出せるの?

部屋を借りている人は、契約又は目的物の性質によって定まった用法に従い、その部屋の使用をしなければならないという用法遵守義務を負っています(民法616条で準用される民法594条第1項)。

例えば、賃貸借契約の中で、ピアノなどの楽器の使用を禁止するという用法が定められていれば、賃借人は部屋で楽器を使用してはいけません。

また、このような特約による用法が定められていなくても、深夜にピアノを大音量で弾くようなことがあれば、あまりにも常識はずれな行動として、用法遵守義務違反となる可能性が高いといえます。

用法遵守義務違反が認められる場合、大家さんは、部屋を貸している人との賃貸借契約を解除することができます(民法541条)。契約違反しているから出て行ってくれという具合です。

ただし、部屋の貸し借りの契約については、「信頼関係破壊の法理」と呼ばれる考え方があり、義務違反行為があっただけではなく、義務違反の結果として信頼関係が破壊されていると評価できて初めて解除できるという扱いになっているので、この点は注意が必要です。

■騒音、ゴミ屋敷、ペット飼育といったケースでは?

用法違反行為にもいろいろなケースがありますが、代表的な用法違反行為といえば、冒頭で挙げたように騒音の問題でしょう。

騒音の場合、その頻度や時間帯、音量等を考慮して、近隣住民において受忍すべき限度を超えていると認められれば、義務違反行為として契約を解除できるでしょう。

裁判例の中には、徹夜マージャンやカラオケ、歌声、喧嘩、床を叩く音などの事案で解除が認められたケースがあります。

次にゴミ屋敷の問題ですが、ゴミの放置による多少の不潔状態が継続した程度では解除できないと考えられますが、これも、社会常識の範囲を超えるようなゴミの量になれば別でしょう。

  • 前のページ
    • 1
    • 2
  • 次のページ
シェアしたくなる法律相談所

トピックスRSS

ランキング