身に覚えのない「パワハラ」を指摘され「改めろ」会社に従うしかない?

シェアしたくなる法律相談所 / 2019年5月21日 10時24分

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都内の会社に勤務するBさんは、ある日突然会社の上司から呼び出しを受けます。

なんのことか戸惑っていると、告げられた言葉は

「他の社員があなたから威圧的な言葉をかけられ困っている」
「パワハラ的な振る舞いを止めてほしい」

というものでした。

納得がいかないBさん

納得がいかないBさんは上司に対し

「自分の何がいけなかったのか」
「どの振る舞いがパワハラ的な扱いになったのか」

などを質問しますが、「細かいことは言えない」と教えてもらえず、「反省して態度を改めるように。できないなら辞めてもらう」と言われたとのこと。

Bさんは「改めろと言われても身に覚えがない以上できるわけがない」と考えており、パワハラ的な行為はしていないとのこと。なんとか濡れ衣を晴らしたいそうです。

身に覚えがないパワハラの疑いをかけられた場合、社員はどのようにするのが良いのでしょうか?

また、上司の措置を断ることはできないのか? エジソン法律事務所の大達一賢弁護士に見解を伺いました。

会社に従わねばならないのか?

大達弁護士:「パワハラなど、会社内でのハラスメントは社会問題になっていますが、一方で、ハラスメントとされる行為の範囲が広がったことにより、どの行為がハラスメントに当たるのかが不明確になりつつあります。

本件のように、パワハラだと言われたものの、どの行為がパワハラなのかが不明確であるにもかかわらず、謝罪を求めるなど何らかの行為を要求された場合には、それに応じる必要はあるのでしょうか。

まず、パワハラを理由とした上司からの「謝罪しろ」という指示は、懲戒処分としてされているものと考えられます。そこで、このような懲戒処分が許されるのかどうか、まず検討します。

労働契約法15条では、下記のように規定しています。

使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする。
労働契約法15条

また、ここでいう「懲戒することができる場合」とは、懲戒の種別および事由をあらかじめ就業規則に規定しておき(最判昭和54年10月30日)、その就業規則が労働者に周知されている場合をいいます(最大判昭和43年12月25日)。とすると、パワハラを理由として謝罪を要求するには、パワハラが懲戒の対象となっている旨、および懲戒処分として「謝罪を求める」ことができる旨が就業規則に規定されている必要があります」

合理的理由を欠く可能性が高い

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