自衛隊の装備について、自民党「ヒゲの隊長」の回答が素人丸出し

まぐまぐニュース! / 2015年10月14日 18時50分

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自衛隊のイラク派兵時に一躍人気者となった「ヒゲの隊長」こと佐藤正久現参議院議員。彼が現役自衛官だった頃に諸々の質問をする機会を得たという元戦場ジャーナリストの加藤健二郎さんでしたが、氏の回答は戦闘部隊の指揮官としての能力を疑わざるをえないようなものだったのだとか。メルマガ『異種会議:戦争からバグパイプ~ギャルまで』で、加藤さんがその内容をリークしています。

海外派遣自衛隊の武装決定権

大きなプロジェクトほど、決定権と責任が曖昧のまま放置できるのが日本の特技かもしれない。日中戦争の責任者は不在のまま関心も持たれずスルーできている。

では、やや細かめのことだとどうなっているのだろうか。陸上自衛隊イラク派遣に関して、ヒゲの先遣隊長として知名度を上げた佐藤隊長に訊く機会があったのは、2004年の記者会見とその後の懇親会。

カトケンが気になっていたのは、派遣する装甲車に搭載されている標準武装である擲弾発射機を取り外して重機関銃替えた理由。佐藤隊長の回答は「攻撃的な兵器である擲弾でなく、防御兵器である重機関銃に替えたのだと思います」とのこと。これは、あまりにも軍事素人すぎる回答なので、彼の軍人としての名誉のためにスルーすることにした。ブロック塀でも貫通する威力を持つ12.7ミリ重機関銃の方が攻撃兵器で、ミニ手榴弾サイズをばらまく自動擲弾発射機は、遮蔽物を貫通できない上に命中精度もかなり悪い威嚇用の兵器なのだから。

記者会見の質問者だから軍事知識なんかないだろうとバカにしての回答になることを避けるため、カトケンの方は、防衛庁内局OPLであることは名乗っている。えっ、内局は自衛官からバカにされてるってか?

まあ、とにかく、佐藤隊長はこの質問が嫌そうだった。嫌がってる相手から真実は訊き出せないので「40ミリ自動擲弾の実射立ち合い経験はありますか?」とだけ質問し、「ノー」の回答を受けとり、で、次の質問に進めた。「重機関銃に替えるという意見具申佐藤隊長がしたのですか? この装備変更に先遣隊長としての意見は反映されてますか?」と。

カトケンがこの質問をした理由は、最初の佐藤隊長の回答の語尾に「…だと思います」というあやふやな表現がついていた点にもある。当然ながら、佐藤隊長は3つ目質問には回答しなかった。カトケンもそれ以上は深追いしなかった。目的は佐藤隊長や自衛隊組織の糾弾ではなく、佐藤隊長の軍人としての能力診断指揮官としての決定権範囲だから。佐藤隊長は、カトケン以外の左翼系記者からの反自衛隊的な質問にはそつなく答えていた。それらは、想定していた質問だったのだろう。日本の軍人は、想定内のことへの対処では優れている。

カトケンは、装備を換装した理由知っていた。知っていて佐藤隊長の口からどういう言葉が出るかどうかを聞きたかったのはイジメだろうか。いや、防衛庁内局側の人間としてはやるべきこと。当時の防衛庁内局には自衛隊に対する監視の役目もあり、人事などで自衛隊の動きを制御する役目を持っていて…、しかし、2015年2月の閣議決定で、内局の権限はほぼ解体されたのだが…。

武装換装の真の理由は、40ミリ自動擲弾発射機は失敗作不良品で、訓練においてさえも実射するのが危ないという問題兵器だったからである。だから、当時は富士総合火力演習などの一般公開イベントでは、40ミリ自動擲弾の射撃は空砲さえも行われていなかった(2004年当時)。

ヒゲの佐藤隊長は、すでに自衛隊人気を集めるための広報的な任務の立場になっていたので、戦闘員としての能力より、記者会見懇親会の場での答弁が、彼の役目であることがわかった。戦闘部隊の指揮官ではなく、広報宣伝&交渉担当。まあね、それも、軍隊として大事な仕事だ。

佐藤隊長らとの懇親会は以下。

● 「真の理由については、不明」と報告

image by: 佐藤まさひさ公式WEBサイト

 

『異種会議:戦争からバグパイプ~ギャルまで』より一部抜粋

著者/加藤健二郎(建設技術者→軍事戦争→バグパイプ奏者)

尼崎市生まれ。1985年早稲田大学理工学部卒。東亜建設工業に勤務後、軍事戦争業界へ転職。1997年より、防衛庁内局OPL。著書は「女性兵士」「戦場のハローワーク」「自衛隊のしくみ」など11冊。43才より音楽業に転向し、日本初の職業バグパイプ奏者。東長崎機関を運営。自分自身でも予測不可能な人生。建設業→戦場取材→旅行業→出版→軽金属加工→軍事戦争調査→探偵→バグパイプ奏者・・・→→次はなに?

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