自治体初!北九州市が「子ども食堂」設置へ…「孤食」防止の効果とは?

まぐまぐニュース! / 2016年1月11日 7時0分

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福岡・北九州市が、自治体としては国内初となる「子ども食堂」の設置を進めていることが報じられています。西日本新聞の記事によると、北九州市は2016年度に市内2か所に「子ども食堂」を開設し、経済的な理由で食事を満足に取れなかったり、親の仕事の都合で一人で食事をしたりしている「ひとり親家庭」の児童・生徒を支援していく方針とのことです。

全国各地に広がる「子ども食堂」

このように子どもたちの「食」を支え、家庭や学校以外の居場所を提供する「子ども食堂」の取り組みは、東京・大田区の「気まぐれ八百屋だんだん」や豊島区の「要町あさやけ子ども食堂」、大阪の「CPAO食堂」など、すでにNPO法人や市民団体、ボランティアなどによって全国各地でおこなわれていますが、今回のように自治体が設置に乗り出した背景には、それだけ深刻な「子どもの貧困」の問題があるといえます。

厚生労働省が2014年7月にまとめた「国民生活基礎調査」によると、平均的な所得の半分を下回る世帯で暮らす子どもの割合を示す「子どもの貧困率」は2012年には16.3%と過去最悪を更新しており、内閣府の「平成26年版 子ども・若者白書」でも、子どもの貧困率が上昇傾向にあることや、ひとり親家庭における貧困率の割合が非常に高い水準となっていることが報告されています。

「孤食」による栄養不足の問題も

食における「子どもの貧困」については、文字通り子どもがごはんを「食べていない」というケース以外にも、親が忙しいことなどが理由で子どもがひとりで食事をする「孤食」の問題があります。子どもの「孤食」では、食事が菓子パンやインスタント食品、スナック菓子などに偏ることも多く、お腹はいっぱいになったとしても、成長期に必要な栄養が不足していたり、逆に脂質や糖分の摂取過多になってしまう場合もあるのです。

全国に広がりつつある「子ども食堂」は、基本的に子どもが一人でも入ることができ、無料や格安で手作りの温かいごはんを食べることができます。また、こうした「子ども食堂」を運営している施設や団体では、学習支援など、食事以外でも子どもと交流するサポートをおこなっているケースが多くみられます。

成長期に満足な食事や教育の機会を与えられないことが子どもの心身両面に影響を与え、社会参加の機会を奪ってしまう可能性もあることを考えると、こうした「地域による子どものサポート」は、さまざまな事情で経済的に困窮している親にとって、切実に必要とされる取り組みです。

今後の課題としては、こうした取り組みをより多くの地域に浸透させつつ、「貧困」に苦しむ当事者一人ひとりに届くようにすることがあげられます。そういった意味で行政が「子どもの貧困」対策に本格的に乗り出すことで、地域における「子どもの貧困」の実態の把握や、支援策の当事者への周知・広報の徹底が期待されます。

また、「子どもの貧困」の背景にはDVやシングルマザーの貧困、孤立などのさまざまな要因があるため、国・行政・民間が連携して具体的なサポートをおこなっていくことが、親から子への「貧困の連鎖」を断ち切るためには必要といえるでしょう。

<参考>

(自治体初、北九州市が「子ども食堂」新年度開設へ 西日本新聞)

(平成26年版 子ども・若者白書「子どもの貧困」 内閣府)

(貧困母子家庭を救いたい!子ども食堂の可能性 ダイヤモンドオンライン)

 

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