習近平も尊敬。リー・クアンユー氏にあって他の政治家にはないもの

まぐまぐニュース! / 2015年9月7日 19時0分

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今年3月、惜しまれつつ亡くなったシンガポール建国の父、リー・クワンユー氏。あの冷徹な習近平氏が「中国人民の古い友人」と称賛したことでも知られています。そんなリー・クアンユーに感銘を受けた元参院議員の田村耕太郎さんが自身のメルマガ『田村耕太郎の「シンガポール発 アジアを知れば未来が開ける!」』の中で、日本の政治家にはないリー・クアンユー氏の「本気さ」について記しています。

リー・クアンユー氏にあって他の政治家にないもの

本気さである。殺されてもやるという気合である。その背景には緻密な「課題設定」があったのだ。「課題設定」は「課題解決」よりはるかに難しいと最近思う。課題設定は未来を見通す力がないとできないのだ。ざっくりいえば、リーダーとして「何がやりたいか?」である。これが最近の安倍総理を見ていても、日本の野党の議員の追及をみていても、アメリカの共和党のディベートを見ていても、皆できていないと思う。まあ無理もない。今の日本やアメリカで「課題設定」をするのは簡単ではないと思う。

「課題設定」ができていないと情熱も魂も込められないのだ。私もリーさんにお会いするたびにそれを聞かれ、グチャグチャ言ったが、彼は(これ以上追及したからかわいそうという表情を浮かべながら)笑って話題を変えてくれた。リーさんは緻密に死ぬ気でシンガポールの課題設定をした。それは課題がわかりやすい状態の国としてスタートしたから。それでも当時、あれだけ未来を見通して課題設定をしたことはスゴイと思う。今なら当たり前に思われるが、当時は国民からクレイジーだと思われたと思う。

以下のリーさんの言葉ににリーさんの凄さがあらわされていると思う。

If I decide what something is worth doing, then I’ll put my heart and soul into it. The whole ground can be against me, but if I know it is right, I’ll do it. That’s the business of a leader.

これに近い姿勢を生身で私が垣間見たのは小泉さんが最初で最後だ。あの時、郵政改革が日本国民や日本国政府が命運をかける課題設定として妥当か、私はそうは思わなかったが、彼の答弁や会見を間近でみて伝わってきたものがあった。小泉さんは5年あまりトップをやられたが、それを30年やったリーさんはその連続だったわけだ。そしてはるかに統制が難しい中国系の国民、そしてインド系やマレー系も含めて多民族国家を切り盛りしてきた。

どれだけ緻密に連続して課題設定をしてきたか? そのためにどれだけの時間とエネルギーを賭けて未来を読んでいたか。しかし、そのシンガポールも課題設定に苦しんでいると思う。 現首相の次といわれる若手閣僚2人と間近に話をしたことがあるが、正直、課題設定できているとは思えなかったし、それに命を懸けている感じも確信できなかった。

今の私が日本の首相だったら何を課題として設定するか。かなりヤバいものになりそうだから、民間人でよかった(笑)。

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『田村耕太郎の「シンガポール発 アジアを知れば未来が開ける!」』より一部抜粋

著者/田村耕太郎(前参議院議員)

早稲田大学、慶応大学大学院、デューク大学法律大学院、エール大学経済大学院を各修了。シンガポールを拠点に、歯に衣着せぬ鋭い論調で「日本の良い箇所・悪い箇所」を指摘するメルマガは、世界で勝負したいという人必読。

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