1月31日は皆既月食を見よう。初心者でも上手に観察する方法は

まぐまぐニュース! / 2018年1月23日 21時0分

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前回掲載の「1月31日の主役は『月』。双眼鏡を用意して『皆既月食』を見よう」でも紹介しましたが、1月31日は日本中で「皆既月食」が見られます。とは言え、「初心者で観察するための道具も知識もない」という方も多いのではないでしょうか。そこで今回の無料メルマガ『1日1粒!「幸せのタネ」』では著者の須田將昭さんが、誰でも皆既月食を楽しめる簡単な準備と場所選び等について、徹底解説しています。

皆既月食を見よう!

年明け早々「1月31日の主役は『月』。双眼鏡を用意して『皆既月食』を見よう」でもご紹介していますが、1月31日の夜皆既月食が起こります。様々な天文現象の中で、「街中でも機材がなくても誰もが楽しめる」という点ではこれほど見やすいものは他にはありません。ぜひ一人でも多くの方に楽しんでいただきたいので、「皆既月食を見よう」をテーマに書き連ねていきます。準備万端整えて、みなさん、それぞれの楽しみ方でたっぷり皆既月食を味わっていただきたいと思います。

まず、基本的なことですが、今度の皆既月食の概要をおさらいしておきましょう。月食は太陽・地球・月の順番に並んだ時に起きる現象です。太陽からの光で地球の反対側に影ができます。普段はそんな影の存在はわかりません。しかし、その影のあるところを月が通過すると…地球の影に月が隠されることになるのです。

地球の影に月が隠されるのが月食ですから、影に少しずつ入っていくところから、すっぽり隠れるところ、そしてまた徐々に影から出るところ、という過程を辿ります。影に入り始めると丸い月の一部が欠けて見えるようになります。これが部分食です。そして地球の影にすっぽりはまったら皆既食となります。

今回の月食では以下の時間帯で予報が出ています。

  • 部分食の始め:1月31日 20時48.1分
  • 皆既食の始め:1月31日 21時51.4分
  • 食の最大:1月31日 22時29.8分
  • 皆既食の終わり:1月31日 23時08.3分
  • 部分食の終わり:2月1日 0時11.5分

※ データは『天文年鑑2018』誠文堂新光社から。時間は日本のどこで見ても変わりません

ざっと1月31日の夜9時前ぐらいから日付が変わる頃までと、なかなか長時間にわたっての現象です。皆既食の始めから終わりだけを考えても10時前から11時過ぎまでと1時間を超えています。少々曇っていてもきっと雲間からでも見るチャンスが期待できそうな現象です。

月はどの辺に見えているのでしょうか? 皆既月食が起きるのは満月のとき(太陽と月が、地球を挟んで反対にあるんですから)。満月の南中時刻(真南に来る時刻)は真夜中(0時)です。ということは、部分食の終わる頃がちょうど真南です。東南東から南東にかけてよく見えるところがあれば、月が建物などに邪魔されることなく観測できそうですね。「1月31日夜の9時前から日付が変わる頃まで」「東南東から南東にかけて空が広く見えるところ」というのがポイントとまとめておきます。

次に、観測する場所や準備についてお話します。

ここまでは概要として、「夜9時前ぐらいから日付が変わる頃まで」「東南東から南東の空」が開けているところ、ということを書きました。幸い、冬の満月は高度がとても高く、それも今回の現象のいいところです。

部分食の始まりでも、月の高度は40度を超えています。皆既食の時間帯だと60度から70度と、ほとんど見上げるぐらいの高度です。と言っても、普通は高度がどのくらいかピンときませんね。

水平が0度。真上が90度です。そして握りこぶしを作って水平にぐっと突き出して、そこからその握りこぶしを4つ分ぐらい上にあげると、だいたいそこが40度ぐらいです。さらに2つ、3つあげると…かなり見上げる感じですね。

今回早めに皆既月食のお話を書き始めたのは、この週末、「どこで見るか」のロケハンもしてもらえたら、と思ってのことです。主には南東の空で、おおよそ40度以上のところが広く見えるところがあれば、そこが観測しやすい場所、と言えます。明るいところでも見られますが、できればその方向に街灯が重なるのは避けましょう

なんとなく広く思えていても、公園だと木が邪魔だった…ということもあります。明るいうちに場所をチェック、できれば夜になってからも邪魔な街灯が視線の方向にないかをチェック。そんな感じで、どの辺で見るかを下見しておきましょう。

絶対にどこかに出かける必要があるわけではありません。家の近くでも十分です。寒いですからね。時々見に行って、また部屋に入ってぬくぬくとして、また見に行って…そんなこともできるのが今回の皆既月食です。どこでどんな風に見えるのかなあ…と予想しながら場所探しをしてみると、目の前に欠けた月が浮かんできます。ワクワクしてください。

次は、「どうやって見るか?」についてお話しします。

前にも書きましたが、皆既月食は数ある天文現象の中で、最も観察しやすい現象です。明るい街中であっても見ることのできる可能性が非常に高い現象です。特別な機材がなくても観察できます

今回は、まず「肉眼で見る」という、最も簡単な方法をご紹介します。いや、紹介というほどのこともないでしょう? と思われるかもしれません。見れば良いだけですから。しかし、ここはただ見るだけでなく、一歩進んで「観察」というレベルで楽しんでみましょう。

皆既月食は、「地球の影」に月が隠れることで、月の姿が欠けて見えて、果てはその姿が全て隠されるのですが、実際には「赤銅色(しゃくどういろ)」という色で、月が見えます。赤とオレンジの黒っぽい色といえばいいでしょうか。これは地球に大気があるからで、朝日や夕日が赤く見えるのと同じ理屈です(詳しく書くと長くなるので今回は省きます)。

この色がどんな色に見えるのか、という点に気をつけて見てみましょう。一口に赤銅色と言っても、実はその時の地球の大気の状況など、いろんな要因で、皆既中の月の色が明るく見えたり、暗く見えたり、あるいはかなり見にくいほどに暗いときもあるのです。

これまでに皆既月食は数回見ることができましたが、私の記憶では2014年の皆既月食はやや暗めでした。初めて本格的にスケッチ観測した1990年2月の皆既月食はもう少し明るかったのではと思います。ただ「あー、欠けてるなぁ」というだけでなく、「色がどんな風かな?と思って見てみるとさらに楽しめますよ

今回の皆既月食について、国立天文台が、「皆既月食を観察しよう2018」キャンペーンを実施しています。

● 「皆既月食を観察しよう2018」キャンペーン

肉眼で見る」「色・明るさに注目する」という方法で、このキャンペーンに参加することができます。正しい観察の方法を知って、報告することで天文現象の観察に一役買える、ってこれはすごくワクワクできる話です。ぜひ一人でも多くの方に参加していただきたいキャンペーンです。

詳しくはリンク先を見ていただくのがいいのですが、それに少し付け加えておきましょう。

まず、準備は用意周到に。「まだまだ先のこと」と思っているとあっという間に当日。そして夜のことですから、慌てて出て行ってから困ることもあります。できればこの週末にでも準備をしてしまいましょう。

キャンペーン用記録用紙は人数分用意しておきます。そして、観察者や観察地などあらかじめわかっていることは先に書いておきます。だんだん気持ちが高まってきますよ。

使う時計は、本来の天体観測ならぴったり秒単位まで合わせておくべきですが、今回は多少のズレ10秒程度は大丈夫、と書かれてあります。できれば暗いところでも点灯させて時刻が確認できるタイプの時計がいいでしょう。私は自動で時刻調整してくれるタイプの時計を使います。

今回の観察はあくまで「肉眼で見た色明るさについての報告という点には注意してください(メガネ、コンタクトレンズなどの視力矯正は別です)。双眼鏡や望遠鏡などの機材を使うと、光を集める能力が高いので必然的に明るく見えてきます。それはデータとして違うものですので、あくまで肉眼での観察という点には注意しましょう。スマホで撮って見たり、デジカメで撮ったり、あるいはテレビやインターネットで見た画像も違います。自分が見た観察結果を記録するという点が一番のポイントですね。

そして観察が終わったら忘れずに期限内に国立天文台に報告しましょう。あなたのデータが天文学の研究に役立つのです。ぜひ参加しましょう!

「初めてだからちゃんと観察できるか不安だ」というのはあると思います。でも、ご心配なく。多くの人が送れば送るほど、データの信頼性は上がってくるものです。

自分のデータが必ず何かの役に立つ、そういう思いが大事です。例えば、3回観察するうちの1回しかできなかった、というのでも、大事なデータです。最初は曇っていた、後から曇ったというコメントをつけて送れば十分立派な観察です。私もぜひ参加したいと思っています。

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