後悔先に立たず。年金を受給する目前の自己都合退職に気をつけろ

まぐまぐニュース! / 2018年2月13日 20時3分

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最近では60歳以降も仕事を持つことが当たり前の社会になりつつありますが、「退職」されるとしたらその理由と時期には注意を払ったほうがいいようです。今回の無料メルマガ『年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座』では著者のhirokiさんが、意外と知られていない失業手当と年金の関係を、初心者にもわかりやすく解説しています。

年金貰える人が失業手当を貰う場合に気を付けておかなければならない事

65歳の誕生日の前々日までに退職すると、ハローワークに求職の申し込みをする事で失業手当(正式名は基本手当)を申請して受給することができますが、65歳前から受給できる老齢厚生年金(65歳前から貰える老齢厚生年金を特別支給の老齢厚生年金といいますが、記事では老齢厚生年金と略します。いつもの事ですけど…)とは同時に受給することはできません。社会保障の過剰給付になってしまうからです(平成10年4月1日になる前までは同時受給OKの時代もあった)。

60歳以降も継続して働く人が多くなりましたが、退職後の年金の貰い方には注意しておきましょう。離職の日以前2年間の間に12ヶ月以上(自己都合退職や懲戒解雇等以外は離職の日1年間の間に6ヶ月以上)の雇用保険被保険者でないといけないですが、満たしてるものとして話を進めます。

ちなみに遺族年金や障害年金、65歳前に繰上げした老齢基礎年金、65歳以上から支給される老齢厚生年金と老齢基礎年金とは失業手当の同時受給が可能です。ただし、65歳誕生日の前日以降に退職した場合の、ハローワークからの給付は失業手当ではなく高年齢求職者給付金という一時金になります(30日分または50日分)。この高年齢求職者給付金と年金は一緒に貰って構わない。

65歳前々日までに退職したら65歳過ぎようが失業手当が支給されることにはなりますが、失業手当を貰いたいがために65歳到達前に辞めてしまって、退職金が貰えないという事にもなりかねないので退職する場合は会社の就業規則の退職金の支給条件を確認しておいてくださいね^ ^。

というわけで今回はその失業手当と年金の関係を見ていきましょう。では事例。

1.昭和31年2月25日生まれの女性(今月62歳になる人)

● 何年生まれ→何歳かを瞬時に判断する方法(参考記事)

この人の年齢の場合は60歳から年金がもらえる人ですが、その60歳到達時(平成28年2月24日時点)で老齢の年金を貰うために必要な期間である、年金保険料納付済期間+保険料免除期間+カラ期間≧25年以上(平成29年8月からは10年に短縮されてる)あり、厚生年金期間が1年以上あるものとします。

60歳までの勤務期間は35年だったものとし、60歳から貰っている老齢厚生年金(報酬比例部分のみ)は80万円(月額66,666円)で、65歳からは合わせて老齢基礎年金681,887円(月額56,824円)とします。老齢基礎年金は779,300円÷480ヶ月×420ヶ月=681,887円で出しています。

さて、継続雇用で60歳以降も働いていたが平成30年5月16日に自己都合で退職することになった。

※注意

この記事では年金の退職改定は省いて話を進めまてます。

退職後はハローワークに求職の申し込みをしに行くつもり。なお、気になる失業手当の額ですが退職前の6ヶ月間の平均賃金は32万円だったものとします。これを日額で表すと10,666円。

失業手当の額→10,666円×45%=4,799円。年額で表すと4,799円×365日=1,751,635円。だから、年金額と失業手当のどちらが有利かは年額で比較するといい(わからなければハローワークや年金事務所で試算してもらうといい)。大抵失業手当のほうが有利ですけどね(笑)。よって、失業手当1,751,635円>老齢厚生年金80万だから失業手当を貰ったほうが得になる。そして老齢厚生年金は課税対象ですが失業手当は非課税

この女性は、平成30年5月27日に求職の申し込みをしに行った。退職までに20年以上勤続してきたから最大150日分の失業手当が貰える。ただし、特に何もなければ離職日の翌日から1年以内に貰い切らないといけない。そして、自己都合退職の場合すぐに失業手当がもらえるわけではない。求職の申し込みをしてから7日間の待期期間というものがあり(平成30年5月27日から起算して平成30年6月2日まで)、更にこの女性は自己都合退職だから待機期間満了の翌日から3か月の給付制限期間というのがある。よって、求職の申し込みから大体4ヶ月は失業手当は受給できない

しかも、求職の申し込みを一旦やってしまうと、その翌月の老齢厚生年金も停止してしまうので全くの無収入状態ができてしまうから危険。失業手当の待期期間や給付制限期間は失業手当が貰えない期間ですが、失業手当を貰ったものとみなされるため、老齢厚生年金も停止されてしまう。失業手当の給付制限期間は平成30年9月2日までとし、それから更に4週間後あたりに失業手当の支給になります。

なお、失業手当の150日分を貰いきるか、離職日の翌日から1年後の平成31(2019)年5月16日の受給満了日のいずれか早いほうが来るまでは年金が停止されてしまう。

さて、150日分を正常に貰い切るとする。基本的には28日分ずつ失業手当は支給される(受給するには必ず指定された失業認定日にハローワークに行かなければならない)。給付制限期間3ヶ月と失業手当をその後150日分貰い切るとして、仮に平成31年2月6日の失業認定日をもって貰い切るとする。平成31年2月6日の失業認定日で失業手当を貰い切るとすれば、翌月の3月の年金から年金停止解除。3月分の1か月分の年金66,666円は4月15日支払い。

まあ、普通はやっと年金停止が解除だ! と安心しますが、よく考えてみると給付制限期間の3ヶ月は失業手当も年金も貰ってない期間ですよね。しかも、平成31年2月は6日間分のみ。失業手当を貰えたわけじゃないのに年金も貰えなかったんじゃちょっとあんまりじゃないですかね…。

というわけで、年金停止が解除される時は「事後精算」というのをやります。これは、止めすぎた年金がある場合はその年金を支給しようというものです。

この人は平成31年2月6日で失業手当を貰い切ったから、3月に事後精算処理を行い、最短で4月15日支払い。事後精算→年金停止月数9ヶ月-150日分÷30=4ヶ月の年金が直近の年金停止月に遡って停止解除になって支給される。

直近の停止月の解除をして支給する」から平成31年2月、平成31年1月、平成30年12月、平成30年11月分の年金を支給となる。よって、事後精算による支給が4月15日に間に合うとすれば、事後精算により停止解除された直近4ヶ月分(66,666円×4ヶ月)の266,664円と3月分の通常の年金66,666円の333,330円が4月15日に支払われることになる。

なお、事後精算の支給が4月15日支給に間に合わなかった場合は5月15日にその事後精算の4か月分(66,666円×4ヶ月=266,664円)を支払う。事後精算の年金は奇数月に支払う事もある。

というわけで、自己都合退職をすると給付制限期間が発生して、失業手当も年金も支給されない無収入の期間が発生してしまうので、退職する際は計画的に!

ところでこの記事では退職時改定による年金額の増額は反映させてません。

※追記

障害年金や遺族年金繰上げ老齢基礎年金等は失業手当と同時受給が可能。ただし、障害年金2級以上の人は労務不能と医師に診断されている場合が多いので(特に内部疾患とか精神疾患)、求職の申し込みをする時にハローワークで受け付けてもらえない場合が割とあります。

もちろん障害年金と失業手当の同時受給するのは可能なんですが、失業手当は職に就く能力(健康上職に就けて就職の意思もある)があるにもかかわらず職に就けてない人が受給するものなので、求職の申し込みをする時に「労務不能」である状態だと受け付けてくれない場合がある。

つまり障害年金貰ってるから失業手当は受けれません! という問題ではなくて、健康上職に就けないと医師が診断してるのに失業手当を貰うために求職の申し込みをしようとする時にスムーズにはいかないという事。あまり同時受給できるっていう情報を鵜呑みにしてはいけない。

普通は、傷病が回復して職に就ける状態になるまで失業手当の受給期間を延長する事になる(普通は離職日から1年間が期限ですが、ハローワークで最大4年間延長の手続きをする事でその延長の期間内に求職の申し込みをする)。失業手当を貰う場合は医師の傷病証明書にて就労可の証明をしてもらわなければならない

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