【書評】習近平が「台湾解放」「尖閣奪回」で民族の英雄になる日

まぐまぐニュース! / 2018年3月20日 21時19分

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先日閉幕した中国全人代で、「終身国家主席」の座を手中に収めた習近平氏。今回の無料メルマガ『クリエイターへ【日刊デジタルクリエイターズ】』の編集長・柴田忠男さんが取り上げているのは、そんな習氏の絶対化が中国で引き起こしていること、そしてこれからの対外関係等が記された一冊です。柴田さんが「日中戦争は必至」と判断したその内容とは?

shibata20180320-s『習近平絶対化でいま中国で起きている大破局』

劉文志・著 徳間書店

中国人ジャーナリスト劉文志の衝撃レポート(と銘打った)『習近平絶対化でいま中国で起きている大破局』を読んだ。著者は2000年代に中国国内の放送関係の仕事に従事し、中国各地を取材で回った。2017年10月に退社後、アメリカに移住した。日本文化、とくに陶芸への造詣が深いという。

この本は著者が目の当たりにしてきた中国国内の実情を紹介しつつこれからの中国、対外関係等を論考したものだ。見出しがうまく、そこだけ読んで要点が掴める。そして、問題点の指摘やまとめに箇条書きを多く用いているため、非常に分かりやすい。これらは編集者がしっかりサポートしているからだろう。

習近平の「100年の夢」は、中国共産党結党100周年にあたる2021年までに「小康社会ややゆとりを実感できる社会)」を建設することと、建国100周年には世界一流の「社会主義現代化強国」に築き上げることだ。あと数年で問題解消できる訳がない。二つ目の夢の実現は、共産党政権がその時点まで保つかどうかが前提だ。2020年以降の中国は、経済・政治・社会的にかなり脆いはずだ。

日中関係は絶対に好転しない。社会制度も違えば、国民性も異なる。両国民の価値観はあまりにもかけ離れている。「日中友好」の解釈権は常に中国側にある。友好も非友好も中国が都合のいいよう勝手に決められてきた。そのつどぐるぐる変わってきた。中国にとっての日本は相変わらず最大の敵国なのである。

日中戦争はいつ起きるか。中国のアジア政策は、穏北保東争南の三つからなる。穏北とは韓国と北朝鮮のあいだでバランス外交を展開するということ、保東とは尖閣諸島と台湾を奪回すること、争南とは国際裁判などで面倒なことがないようにASEAN諸国にも利益を残す、ということだ。尖閣を奪うことは至上命題であり、譲歩の余地はない。尖閣で武力衝突が起きれば本格的な戦争になる。

中国では領土保全・拡張に貢献する人間こそが民族の英雄になり、その名は永遠に後世に伝えられる。習近平は尖閣諸島と台湾を取りにくる。これは絶対に間違いない。まず台湾である。国際世論の圧力はあるものの、内政問題だと言い切る。尖閣のように日本との戦争になるおそれがない。台湾はどこの国とも軍事同盟を結んでいないからだ。習近平はこの偉業で民族の英雄となる。

戦争で生活レベルが大幅に後退したとしても、国民の大多数は習近平の「台湾解放戦争を支持する。台湾統一に関して、中国人はとりわけ好戦的なのだ。このチャンスを習近平が他の誰かに譲るはずがない。新中国を創立した毛沢東よりも、台湾を解放し祖国を統一させる人間はもっと偉いのだと誰もが考える。

中国建国100周年の2049年まで30年あまり。それまでに台湾侵略は必ずある。著者の予測では、早ければ5年以内遅くとも10~15年以内だ。台湾占領後に動乱期があることを考えれば、軍事行動は早期に終わらせなければならない。10年後の習近平は74歳、それ以上時間がかかると指揮力も衰えていくからだ。

強欲において習近平は毛沢東と似ているが、毛沢東以上に野心と権力欲がある。「一帯一路」は無謀な計画で莫大なリスクがともなう。習近平自身、おそらくそれほど期待していない。後世に残る偉大な業績にはならないからだ。自負と決意は尖閣諸島と台湾を取ることにある。日中戦争は必至のようだ。

編集長 柴田忠男

image by: 360b / Shutterstock.com

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