よく考えて。副業をすることであなたに起こる数々の「不幸」

まぐまぐニュース! / 2018年9月10日 2時46分

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働き方改革を受け、国が推進する運びとなった副業・兼業。しかし、企業がそれを認められるようになるには、いくつもの問題があるようです。今回の無料メルマガ『新米社労士ドタバタ日記 奮闘編』では、以前の記事『なぜ国も推進する「副業・兼業」を多くの企業は許可しないのか?』をもとにして、兼業・副業をすることによる社会保険や雇用保険の整理について会話形式でわかりやすく紹介しています。

副業禁止

E子 「この間、副業したいっていってたパートさんの件 、あれからどうなった?動きあった?」

新米 「T社さんとしては、自社で週に35時間、副業先で週に20時間となると、時間外労働が月に45時間を超えるため、このままの条件では副業は認められないというのが結論です」

E子 「それを受けて、パートさんはどうしたの?」

新米 「10年勤めて、時給が結構高くなっているから、本当は、両方で働きたいと思っていたそうですが、ダメと言われて仕方なく、たくさんの時間働ける副業先への転職を考えたそうです。だけど、時給はかなり低くなるんですよ。でもね、どうもそれもうまくいかずに、結局ハローワークに行かれるそうです」

E子 「うーーん。不幸な結果になりそうやね」

新米 「はい、働き方改革ってなんやろって思っちゃいます」

E子 「お薦めするのもヘンだけど、時給が高くて、時間外労働が多い会社に勤務できたら無茶な過重労働までいかずに済んで、一件落着なんだけどね」

新米 「うちのお客様の中には、もう過重労働やめましょうよってレベルの会社さんも正直いってあるじゃないですか。そこへ紹介してあげたいくらいです。でないと、子供さんの学費などで必要な金額は決まっているし、時給の低いパートに転職して、すごい時間働かないといけなくなったら、身体、壊してしまいますよぉ」

E子 「なんとかならないんかしらね。おかしなこと言ってかもだけど、ホント紹介してあげたいわ…」

新米 「労働基準法第38条での『労働時間を会社と副業先で通算しなくてはならない』件も2社間では、管理できないですもんね。1社で時間外労働管理してもらうのがやっぱり一番ですね」

所長 「うちでも新人さんが給与の安い試用期間時期に副業を認めていたことはあるんだよ。ずっと昔だけどね…。もっとも、休日だけの許可で、平日はしていなかったな」

新米 「そんなこともあったんですねー。ところで、副業先の労働時間が増えると、社会保険や雇用保険の整理は気になるところですね」

E子 「2社とも週20時間以上働くってことになると、雇用保険に関する理解がいるわね」

新米 「労働時間が多い方とか、収入の多い方とか、どっちで加入しないといけないんですか? って他社さんでも質問が来ましたよ」

所長 「そうだね。この件は、出向の場合も同じことで、しっかり押さえておく必要があるね」

新米 「まず、雇用保険は、1週間の所定労働時間が20時間以上であること継続して31日以上雇用されることが条件で…」

E子 「2社ともその状態のときは、『その者が生計を維持するに必要な主たる賃金を受ける雇用関係についてのみ被保険者となる』となっていますよね。だから、出向などの場合にいっとき賃金が低くなってもこちらが主であるとするなら、あわてて変更しなくても、問題はないということで良かったですね、ボス」

所長 「そういうことだね。雇用保険は誤解が生じることも多いだろうね」

新米 「社会保険については、大企業でない限りあくまで4分の3ルールで考えれば良いんですよね?」

E子 「そうね。正社員の月出勤日数の4分の3以上かつ週労働時間4分の3以上の適用要件をいずれかで満たさない限り、複数の事業所で働いて、労働時間を合算して適用要件を満たしたとしても、適用はされない、つまり加入はできないわ」

新米 「ここも不幸が生まれる可能性大ですよね。どっちにも入れないことも…同時に適用要件を満たした場合は、どっちを選べば良いんでしたっけ?」

所長 「ん? 新米くん、なんか変なこと言ってないかい?」

E子 「同時適用は、『2以上の扱い』をしなくっちゃ。まずは、いずれかの事業所の管轄の年金事務所と医療保険者を選択して、保険料は、両方の報酬月額を合算して標準報酬月額を算定し、保険料が決定されるってことね。もっとも、両方の所定労働時間が30時間ってことは、どちらかが取締役とか役員でないと、滅多に当てはまらないと思うけど、大企業に勤める場合は、4分の3ルールが2分の1ルールになるから今後は、一般従業員でも2以上は有り得るかもしれないですね」

新米 「ホントですね。今後はそういうケースも出てくるかもしれませんね」

所長 「T社さんには、渡したろうけれど、今後は、パート応募者の方には、事前にアンケートを実施するのが良いね」

E子 「あ、あれ、他社さんも実施していきますか?」

所長 「必要に応じてね。パートが多いところはお渡ししておいた方が良いだろうね。まず、他で働いていないか、労働時間、労働日、休日、労働条件通知書などの確認だね。健康状態も大事だ。通勤手段やその所要時間も確認しておかないとね」

E子 「健康状態は、アンケートで細かく聞いていますね。既往症、持病、障害、通院中の傷病や服薬剤はもちろん、視力、薬物や、安全配慮義務の観点から障害等級、知的障害、うつ病等の精神疾患、てんかん、睡眠時無呼吸症候群、自殺未遂の有無…」

新米 「え? そんなことまで書いてましたっけ?」

E子 「これ、君の入社時のチェックシートにもあったと思うよ」

新米 「え? そうでしたっけ。気になってなかったのかなぁ…覚えてない…」

E子 「正常値でないものにも◯印をしてもらうようにもしているわ。血圧値、血糖値、中性脂肪や体格指数(BMI)、喫煙、アルコール依存症」

米 「かなり機微なことまで知ることになりますね」

所長 「そうだよ。取り扱いに気をつけるようにね。我々の仕事は、個人情報の集まりだ。それもとても機微な…心して、業務にあたるように!」

■ 複数の事業所に雇用されるようになったときの手続き(日本年金機構)

複数の事業所に雇用されるようになったときの手続きの手続内容は、

1.被保険者が同時に複数(2か所以上)の適用事業所に使用されることにより、管轄する年金事務所または保険者が複数となる場合は、被保険者が届出を行い、年金事務所または保険者のいずれかを選択します。

2.届出の結果、選択した事業所を管轄する年金事務所(または健康保険組合)が当該被保険者に関する事務を行うこととなります。なお、健康保険組合を選択した場合であっても厚生年金保険の事務は年金事務所が行います。

※ この届書の提出に当っては、適用事業所の被保険者となるための「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届」の提出が前提となります。新たに被保険者となる場合は、事業所から資格取得届が提出されていることを確認してください。

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