中国のスパイ?謎多きファーウェイCFO、旅券8通所持の「意味」

まぐまぐニュース! / 2018年12月14日 5時0分

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カナダ当局に逮捕されたファーウェイCFOの孟晩舟氏が、8通以上のパスポートを所持しており、そのうち2通が別人名義のものであったとの報道が注目されています。この事実、いったい何を表しているのでしょうか。国際関係ジャーナリストの北野幸伯さんが、自身の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』で真実に迫っています。

ファーウェイCFOは中国のスパイ?

ファーウェイのCFO(創業者の娘)がカナダで逮捕された件。その理由については、

● 中国激怒。ファーウェイ孟晩舟CFOがいま逮捕された本当の意味

をご一読ください。今回は続報です。簡単にその後、何が起こったのか触れておきましょう。まず、中国はカナダを脅しました

「重大な結果招く」中国、CFO即時釈放を要求

読売新聞 12/9(日)10:42配信

 

【北京=竹内誠一郎】中国外務省の楽玉成次官は8日、カナダのマッカラム駐中国大使を呼び出し、カナダ当局によるファーウェイの孟晩舟(モンワンジョウ)CFOの拘束について強く抗議した。楽氏は孟氏の即時釈放を求め、「さもなければ重大な結果を招くことになり、カナダ側はそのすべての責任を負うことになる」と警告した。

怖いですね。こういう場合中国が口だけでないこと、私たちも「中国漁船衝突事件」(2010年)で知っています。あの時は、「レアアース禁輸」などなど、さまざまな制裁をやられました(100%むこうが悪いにも関わら…)。

そして、中国は、報復したのです。どんな?

中国がカナダ元外交官拘束、CFO拘束の報復か

読売新聞 12/12(水)0:15配信

 

【北京=中川孝之】ロイター通信は11日、カナダの元外交官が中国で身柄を拘束されたと報じた。中国の通信機器大手「華為技術」(ファーウェイ)の孟晩舟(モンワンジョウ)最高財務責任者(CFO)(46)が今月1日にカナダで拘束された後に起きたという。孟氏の拘束との関連は不明としているが、中国によるカナダへの報復との見方も出ている。拘束されたのは、民間の研究機関「国際危機グループ(ICG)」(本部・ブリュッセル)で北東アジアのアドバイザーを務めるマイケル・コブリグ氏で、外交官として北京や香港での勤務経験があった。

まさに、「目には目を、歯には歯を」ですね。哀れなのは、コブリグさんです。このせいなのかどうかはわかりませんが、カナダは孟さんを保釈しました。

カナダの裁判所は11日、逮捕されていたファーウェイの孟晩舟副会長の保釈を認めました。孟容疑者に犯罪歴がないこと、健康面に不安を抱えていることなどが理由で、約8億5,000万円相当の保釈金の支払いを命じたほか、24時間、追跡可能なGPS装置を足首に装着することを保釈の条件としました。孟容疑者は11日夕方、バンクーバーにある自宅に戻りました。

(テレ朝ニュース 12月12日)

足首にGPS装置をつけられているのですね。逃げることはできません。ここまでが続報です。流れは、

  1. 12月1日 孟さんが逮捕された
  2. 12月8日 中国外務省、カナダを脅迫
  3. 12月11日 カナダの元外交官が中国で拘束されたと、ロイターが報じる(実際に拘束された日は不明)
  4. 12月11日、カナダ、孟さんの保釈を決定

となっています。これからどうなっていくのか注目ですね。

孟晩舟は中国のスパイ????

ここからは、孟さんの裏の顔について。

ファーウェイ幹部、旅券8通以上所持 中国当局「特別扱い」

毎日新聞 12/11(火)20:18配信

 

【北京・浦松丈二】米国の要請を受けてカナダ当局に拘束された中国通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟・最高財務責任者(CFO)が中国、香港の旅券(パスポート)を計8通以上所持していたと報じられ、中国当局による「特別扱い」に注目が集まっている。カナダ政府の訴追資料によると、孟氏は過去11年間に中国の旅券を4通、香港の旅券を3通、計7通発給されていた。さらに、香港紙・明報は、孟氏が7通とは別に中国の「公務普通旅券」を所持していたと報道した。計8通のうち、香港旅券の2通は異なる名前とされる。孟氏が海外での活動を捕捉されることを懸念し、渡航の際に複数の旅券を使い分けていた可能性があるという。

なんですか、これ?皆さん、パスポートいくつもってますか?私は、一つです。普通、一つでしょう。ところが孟さんは8通もっていて、名前が違う。これ、カナダが嘘いってるのでしょうか?中国サイドは?

中国外務省の陸慷(りく・こう)報道局長は10日の定例記者会見で、「孟氏が中国国民であることは明らかだ。(旅券は)この事件の核心でも根本の問題でもない」として、旅券の発給記録など事実関係の確認には応じなかった。

(同上)

旅券は、「この事件の核心でも根本的の問題でもない」そうです。要は、否定せず、「重要じゃないことにした」と。つまり、「事実だということでしょう。たとえば、中国が、「カナダは嘘をいっている!」と非難した。そしたらカナダ当局が8つのパスポートを報道陣に見せる。すぐ、「中国は嘘をいっていた」ことがバレる。だから、「そんなのは大事じゃないということにしたのでしょう。

ところで皆さん。ある人が、複数のパスポートを持ち、偽名を使っている。これは、どういう意味でしょうか?そう、孟さんは、中国の諜報員スパイ)ということでしょう???他に考えられません。つまりどういうことなのか?

ファーウェイは、スマホシェアで世界2位の中国を代表する企業です。その会社のCFOが、中国のスパイをしている。要するにこういうことです。中国という国は、政府とビジネスが一体化している。そして、政府がビジネスより上にある。誰かがビジネスで成功しつづけたければ、政府のいうことを聞かなければならない。孟さんのような優良企業の次期CEO候補でさえも、諜報をしなければならない。

アリババのジャック・マーも習近平に奉仕する

もう一人わかりやすい例をあげておきましょう。2017年1月、トランプさんが大統領になった。当初彼は、非常に反中で、中国は活発な「懐柔工作」を行っていました。で、アリババ創業者の馬雲ジャック・マー)は2017年1月9日、トランプと会談。「米国に100万人規模の雇用を創出する」と約束した。ちなみに、ソフトバンクの孫正義社長も16年12月6日、トランプと会談して「5万人の雇用を創出する」と宣言した。

馬雲の約束は、孫さんの実に20倍。2人の「動機」の違いも重要。孫さんは、「自分の金儲けのために」トランプに会った。一方、馬雲会長は「習近平の指令により、「トランプを懐柔するために」会った。BBCニュースのキャリー・グレイシー氏は、こう書いています。

中国では民間企業にさえ共産党の末端組織が存在しており、国家の戦略的利益となると政府の命令に従うよう求められる。

(BBCニュース 2017年2月27日)

トランプ・馬雲会談については。

ジャック・マー氏は任務を背負っており、政府の方針にも沿っていた。ニューヨークのタイムズ・スクエアの屋外広告に、トランプ氏への春節の挨拶を掲載するため資金を提供した他の中国系企業100社も同様だった。

(同社)

アメリカでは、「金持ちが政治家を支配している」といわれます。つまり「金権政治」である。一方、共産党の一党独裁国家・中国では、2兆円以上の資産をもつ馬雲氏でさえ、習近平の命令に逆らえない。それどころか、「お国のためには他国の大統領懐柔工作」もする。

日本には、米中覇権戦争がはじまって、中国を擁護する人もたくさんいます。しかし、私は「覇権国家は他の国にその体制を押しつける」ことを理解してほしいと思います。かつてソ連の支配下にあった国々は、どこも「共産党の一党独裁」でした。中国が覇権国家になれば、日本だって共産党の一党独裁になることでしょう。そして、あなたが大きな会社の社長でも、共産党に奉仕することを強要される。皆さんは、そんな国に住みたいですか?私は、「毎日安倍さんの悪口をいっても逮捕されない日本」でありつづけてほしいと思います。

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