【書評】このままでは日本ヤバイ。ロシアに学ぶ少子化の解決法

まぐまぐニュース! / 2019年4月22日 20時37分

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日本人のほとんどがすでに諦めかけている「少子高齢化」の解決。もはやこの国に明るい未来はないのでしょうか。今回の無料メルマガ『クリエイターへ【日刊デジタルクリエイターズ】』では編集長の柴田忠男さんが、ロシアで行われているとある政策を例に挙げ、少子化を食い止めるヒントが書かれた一冊を紹介しています。

偏屈BOOK案内:『日本の生き筋』

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『日本の生き筋 ─家族大切主義が日本を救う─』

北野幸伯 著/扶桑社

ビミョーにおかしなタイトルの本である。「生き筋」なんて言葉は初めて聞いた。粋筋なら知っているが。「家族大切主義」ってのもこなれていない。モスクワ国際関係大学国際関係学部卒業、28年間モスクワにいた人だから、日本語がヘタ、というわけでもない。「幸せな日本の創り方」をはっきり、くっきり記した本だと帯にある。これもビミョーだが、結果オーライの良書であった。

「大切にしようと強調すべきものは、個人より家族だ」という著者は、日本はこれから家族大切主義で行くべきだと考える。辞書にもある「家族主義」ではない。ただ単に「家族を大切にしましょう」という意味だ。拍子抜けするくらいなシンプルな主張である。崩壊する家庭の最大の問題は何か。それは「長時間労働」だ。そして、日本人の平均睡眠時間は主要100か国中で最短である。

日本政府は「家族大切主義に沿った政策を行っていくべき」である。国がすべきなのは「日本人が、家族を大切にできる環境作り」のはずだ。その大きな第一歩が「長時間労働の是正」である。ところが「働き方改革法」は「過労死レベルまで働かせることを合法化している」のだ。そんな馬鹿な~。でも著者の解釈を読むと、確かにそうだということがわかる。是正どころか劣化かも。

「世界一勤勉な国はどこか」と聞くと、たいてい日本かドイツという答えが返ってくる。ところが、驚くべし、ドイツの労働時間は世界一短いのだ。労働生産性は日本がOECD中20位、ドイツは8位である。ドイツは政府が法律によって労働時間を厳しく規制し、違反がないかどうか、労働基準監督署が監視している。抜き打ちチェックもある。違反した会社には多額の罰金ほか罰則がある。

著者は「ドイツ式働き方改革を日本にも導入すべきだと考える。もちろん、いきなりはできないから、施行は法案成立から3年後、などと決めればいい。日本人の多くが「お先真っ暗な未来」というビジョンを共有している。そのほとんど第一の理由は「少子高齢化」である。日本人の多くは「少子高齢化」を「絶対に解決できない問題」と認識している。しかし、著者はそうは思わない。

世界を見渡せば「出生率を劇的に上げた例」がある。ロシアである。1999年頃のロシアの出世率は1.16だった。ところが年毎に上昇し、2015年に1.75と記録更新。新生ロシア史上、最高値だった。どうやって出生率を上げたのか?その秘密の一つが、子供を二人産んだ家族は大金がもらえる母親資本制度だ。

2015年の母親資本額は45万ルーブル、日本円で90万円程度、日本人の感覚では大金ではないが、ロシアの田舎では家が買えるほどの大金である。この制度が唯一の理由ではないが、子供を産む「大きな動機」になっている。この制度を日本で考えれば「三人子供を産んだ家庭には、住宅購入資金2,000万円まで支援する」としたらどうか。一括で2,000万円ではなくてもいい。財源はどうするか。

住宅購入資金のローンを2,000万円まで国が肩代わりする。金利分も国が出すから銀行も安心。出生率が劇的に高まって日本の未来は安泰、という案である。政府は迷うことなく、こういった支援の実験を開始してほしい。わたしは一人目の子供から補助金を支給すべきだと思う。他にもいい話いっぱい。

編集長 柴田忠男

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