ジオン公国記念日に考える、『ガンダム』初心者にオススメの「アナザーガンダム」3選
マグミクス / 2022年8月15日 6時10分
■ライトにガンダム世界を味わえる「アナザーガンダム」
8月15日はジオン公国建国記念日。同国は『ガンダム』シリーズに登場する架空の国家ですが、人気アニメシリーズだけあって毎年ファンがSNSなどで触れて盛り上がります。
しかし世の中には『ガンダム』シリーズに詳しくない人が多数いるのも事実。そんな人に『ガンダム』シリーズの真髄や魅力を理解してもらうためとはいえ、長大な宇宙世紀『ガンダム』の多くをチェックしてもらうのはなかなかハードルが高いでしょう。
そこで今回は『ガンダム』シリーズファン歴35年の男性・Bさんに、初心者でも比較的ライトに『ガンダム』のエッセンスを味わえるアナザーガンダム(宇宙世紀以外の世界で展開する物語)作品をセレクトしてもらいました。「『ガンダム』って何から観たらいい?」という定番の質問への格好の答えになるかも……? いずれもバンダイチャンネルなど各種配信サイトで配信中。未見の人はぜひ夏休みを利用してチェックしてみましょう。
●『機動新世紀ガンダムX』(1996年放送、全39話)
アナザーガンダムのはしりである『ガンダム』平成三部作の最後を飾ったのが『機動新世紀ガンダムX』です。舞台は15年前のコロニーと地球による戦争で人類の99%以上が死滅してしまった地球。戦災孤児の少年・ガロードがとある依頼を受けて不思議な力を持つ少女・ティファ、そして白いモビルスーツと出会うところから物語が始まります。
Bさん「ガロードの前向きな性格のおかげでハードな展開がありながら全体的に暗くなり過ぎず、ストレートなボーイ・ミーツ・ガールものとして楽しめるでしょう。また基本的には数話単位で話が完結するため見やすさも抜群です。いわゆるニュータイプ論も絡んできますが、これを先に観ておくと宇宙世紀『ガンダム』もまた違った視点で観られるかもしれません。放送期間短縮のため終盤がやや駆け足になっているという点で、同じような扱いの『機動戦士ガンダム』を観ている気分も味わえるでしょうし(笑)」
■2000年代以降も傑作『ガンダム』あり
『劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-』キービジュアル (C)創通・サンライズ
●『機動戦士ガンダム00』(2007~2009年放送、全50話)
西暦2307年、3つの超大国群による冷戦状態が続き、小国では紛争や内戦が絶えない地球。『機動戦士ガンダム00』は「武力による戦争の根絶」を掲げる私設武装組織ソレスタルビーイングが所有するガンダムが、この星で勃発するすべての戦争に介入していく物語です。TVシリーズに続いて2010年には『劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-』が上映され、近年も舞台や新作が展開され続ける人気作です。
Bさん「舞台が西暦のためかエネルギー問題など現在と地続きの話もあり考えさせられる作品です。また『ガンダム』をニュータイプを始めとするコミュニケーションの話と捉えた場合、対話について真摯に向き合い続けた『00』……特に地球外生命体ELSとの死闘が繰り広げられる劇場版はとても示唆に富んでいます。何より、単純にかっこいい戦闘シーンが多いのもいいですね」
●『ガンダムビルドダイバーズ』シリーズ(2018年放送、2019~2020年配信、全51話)
『ガンダムビルドダイバーズRe:RISE』キービジュアル (C)創通・サンライズ
ガンプラ(『ガンダム』シリーズのプラモデル)を操縦して戦う、2013年から始まった『ガンダムビルド』シリーズ。その第3作にあたるのが『ガンダムビルドダイバーズ』、そして2年後を描いた『ガンダムビルドダイバーズRe:RISE』をここでは便宜的に1シリーズとして扱います。それぞれ2クールずつあり、メインキャラクターが異なるものの、電脳世界でガンプラバトルやミッションを楽しむネットワークゲーム「GBN」のプレイヤー達の物語が展開する点では共通しています。
Bさん「前2作の明るい作風と違ってややシリアスなところがありますが(特に『Re:RISE』)、『ガンダム』シリーズに登場するモビルスーツの戦闘シーンをたっぷり味わえる『ビルド』シリーズの美味しい点は変わりません。何より特筆したいのが『Re:RISE』後半のものすごい盛り上がりです。ネタバレになるので詳しくは言えませんが……主人公の扱い方、という点で個人的には『SEED』シリーズのリベンジと捉えています。
前2作ほど『ガンダム』ネタがくどくなく、シリーズを知らない異世界もの好きや『ケモナー』な人にオススメできるのは確実ですが、多くのアニメファンに観てもらいたい作品ですし、途中で脱落してしまったシリーズファンにもぜひ最後まで見届けて評価してほしいですね。近年の『ガンダム』作品に限らず、過去すべてのシリーズ作品でもトップクラスのお気に入りです」
(はるのおと)
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