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「信頼関係」「兵器開発」『ウルトラセブン』現代への警鐘となる示唆に富んだ2つの回

マグミクス / 2024年2月3日 6時10分

「信頼関係」「兵器開発」『ウルトラセブン』現代への警鐘となる示唆に富んだ2つの回

■大人になった今見ても考えさせられるエピソード

 1967年10月~1968年9月にTBS系で放送された『ウルトラセブン』には、子供向け番組とは思えないような、社会派なメッセージを含むエピソードが存在します。なかには放送終了から50年以上経過した今でも、考えさせられる内容の回もありました。この記事では大人になった今だからこそ、もう一度観たい示唆に富んだふたつのエピソードを見ていきましょう。

 特に有名な第8話「狙われた街」は、人間同士の「信頼関係」について考えさせられる物語です。このエピソードでは「北川町」で次々に起こる事件が描かれています。タクシー運転手が女性に襲いかかったり、銃が乱射されたりと凶悪な犯罪が繰り返されるのです。これらの事件の原因は、地球侵略を企むメトロン星人が仕込んだ麻薬成分入りのタバコにありました。

 ウルトラセブンことモロボシ・ダンは自動販売機にタバコを補充しにきた男を追いかけ、彼が消えていったアパートに乗り込みます。そこで待っていたのが、メトロン星人でした。畳の部屋でちゃぶ台を挟んで座るダンに対して、メトロン星人は自身の狙いが人間同士の信頼関係をなくすことにあると話します。そうすれば人間は勝手に自滅すると、持論を展開するのでした。

 その後、メトロン星人とウルトラセブンの戦いはあっさりと終わります。そしてエピソードの最後に流れるのが、「でもご安心下さい、このお話は遠い遠い未来の物語なのです え?何故ですって? 我々人類は今、宇宙人に狙われるほど、お互いを信頼はしていませんから」というナレーションでした。今でも人気のこのエピソードに関しては、暗い世界情勢も相まって「21世紀になっても人間は何をやっているのだろうかと今でも考えさせられる」「お互いが信頼するようになるのはさらにまだ先なのでしょうね」といった声もあがっています。

 第26話「超兵器R1号」も、示唆に富んだ内容との声があがる人気エピソードです。侵略者を星ごと破壊できる威力を持つ惑星攻撃用超兵器「R1号」を完成させた地球防衛軍は、その威力を試すために生物がいなさそうな「ギエロン星」に向けてR1号を放ち、見事に同星を破壊します。この結果を受けて、開発部はさらに強力なR2号の開発を目指すと宣言するのでした。

 しかし生物がいないと思われていたギエロン星から、放射能で異常進化した巨大なギエロン星獣が地球へ復讐しにやってくるのです。戦闘機ホーク3号が新型爆弾を投下すると、ギエロン星獣はバラバラになるものの、その後に破片が集結して再生してしまいます。

 地球防衛軍はさらに攻撃を加えますが、ギエロン星獣には通用しません。その後セブンが登場し苦戦の末にギエロン星獣を倒すのですが、星を滅ぼされ、かぞくを殺されたギエロン星獣のことを考えると、かなり後味の悪い結末といえるのではないでしょうか。

「自分たちを守るためには何をしてもいいのかと思ってしまう」「人類はこのエピソードを教訓に出来ずに過ちを続けているのではないか」など、こちらも改めて観て考えさせられた意見も多く出ているエピソードです。

 これ以外にも『ウルトラセブン』には、さまざまなメッセージ性を含んだエピソードが多数あります。改めて『ウルトラセブン』を見て、我々は本当に幸せになったのか、半世紀以上前と比べて進化したのか、考えてみるのもいいでしょう。

(LUIS FIELD)

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