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高嶋政宏とミニスカ沢口靖子が合体して巨大ロボに? 「建国記念の日」に観たい特撮映画2選

マグミクス / 2024年2月11日 7時40分

高嶋政宏とミニスカ沢口靖子が合体して巨大ロボに? 「建国記念の日」に観たい特撮映画2選

■「日本神話」をモチーフにした冒険ファンタジー

 2024年2月11日(日)は「建国記念の日」です。かつては「紀元節」と呼ばれた、国民の祝日です。日本がどのようにして誕生したのかは諸説ありますが、この機会に日本の国づくりが始まった時代に、映画を通してタイムトリップしてみるのはどうでしょうか。

 東宝は『日本書紀』や『古事記』などで描かれている「日本神話」をモチーフにした実写映画を2本つくっています。「世界のミフネ」こと三船敏郎さんが主演した『日本誕生』(1959年)と、そのリメイク作ともいえる、高嶋政宏さんが主演した『ヤマトタケル』(1994年)です。

 どちらも特撮シーンが満載で、巨大怪獣も登場する、ヒロイックな冒険ファンタジーとなっています。日本国民なら一度は観ておきたい、両作の見どころを紹介します。

■目からビームを発射する『ヤマトタケル』

 あまりにも奇想天外すぎて、ネット上でさまざまなレビューが飛び交っているのが『ヤマトタケル』です。「平成ゴジラ」シリーズの大河原孝夫監督と川北紘一特技監督とのタッグ作です。

 主人公のヤマトタケル役は、『ガンヘッド』(1989年)や『ZIPANG』(1990年)などの東宝映画でおなじみとなっていた高嶋政宏さん。ヒロインとなるオトタチバナを、『竹取物語』(1987年)でかぐや姫に扮した沢口靖子さんが可憐に演じています。

 ヤマトの国の第二王子であるオウス、のちのヤマトタケル(演:高嶋政宏)は、父のケイコウ(演:篠田三郎)から疎まれ、危険なクマソ退治を命じられます。旅の途中、巫女のオトタチバナ(演:沢口靖子)と出会い、三種の神器を次々と手に入れていきます。人気ゲーム『ドラゴンクエスト』を思わせる軽快な展開です。

 強敵のクマソタケル(演:藤岡弘)を苦闘の末に倒したオウスとオトですが、その直後に巨大怪獣、クマソガミが出現。さらに海では、「クトゥルフ神話」に出てきそうな海神ムーバがふたりに襲いかかります。クライマックスでは、阿部寛さん演じる最強の敵、ツクヨミとの戦いが待っています。高嶋さんの目からはビームが発射され、ミニスカ姿の沢口さんは「かめはめ波」っぽい火の玉を放ちます。

 最後の決戦では、高嶋さんと沢口さんは合体して、巨大ロボットを思わせる「宇宙戦神(ウツノイクサガミ)」に大変身。想像を絶する国づくりバトルが繰り広げられます。東宝ならではの怪獣映画であり、『スター・ウォーズ』(1977年)を思わせるソードアクション、「スーパー戦隊」、「宇宙刑事」シリーズからの影響も感じさせる、特撮ドラマの「満漢全席」のごとき趣きとなっています。

 日本は「表現の自由」が認められている国であることを、ここまで実感させてくれる映画はそうそうないでしょう。三部作構想もあったそうですが、1作だけで終わってしまったのが残念です。第2、第3作が制作されていたら、さらに驚く日本史になっていたかもしれません。

■「世界のミフネ」vs.元祖キングギドラ『日本誕生』

「日本誕生 [東宝DVDシネマファンクラブ]」(東宝)

 1959年11月に公開された『日本誕生』も、見応えのある特撮映画です。東宝の映画1000本目を記念した大作で、上映時間は182分もあります。『宮本武蔵』(1954年)などで知られる巨匠、稲垣浩監督と、『ゴジラ』(1954年)を大ヒットさせた円谷英二特技監督とのタッグ作です。三船敏郎さんはヤマトタケルとスサノオの2役を演じています。

 いちばんのチェックポイントは、スサノオ(演:三船敏郎)とヤマタノオロチとの対決シーンです。日本神話に登場するヤマタノオロチは、8つの首を持つ超弩級の大蛇です。このクリーチャーの出来栄えと操演が素晴らしく、『三大怪獣 地球最大の決戦』(1964年)からゴジラの宿敵として登場する宇宙怪獣キングギドラの原型になったことが知られています。

 ヤマトタケル(演:三船敏郎)が女性に変装して、クマソタケル(演:鶴田浩二)の謀殺をはかるシーンも見逃せません。数々の時代劇でワイルドな剣豪を演じてきた三船さんが女装姿を披露した、かなり珍しい場面となっています。

 他にも、アマテラスオオミカミ(演:原節子)を天岩戸から誘い出すシーンでは、当時大人気だった横綱力士の朝潮太郎さんをアメノタヂカラオに起用しています。映画会社の枠を越えた豪華オールスターキャストとなっています。

■『日本誕生』の14年後には『日本沈没』

 レジェンド俳優たちがいにしえの神々を演じた『日本誕生』は、破壊神「ゴジラ」の生みの親である東宝の田中友幸氏がプロデューサーを務めました。田中プロデューサーの面白いところは、『日本誕生』の14年後に『日本沈没』(1973年)を大ヒットさせたことです。日本国の誕生から、国土消滅の瞬間までを映画化した稀有なプロデューサーとなっています。

 SFパニック映画の傑作としていまも人気の『日本沈没』ですが、「日本人とは何か?」を問いかける作品にもなっていました。田中プロデューサーは『ノストラダムスの大予言』(1974年)もヒットさせています。国の始まりからその終わり、さらには世界が滅亡する近未来までを田中プロデューサーは映画製作を通して見つめていたようです。

 東宝映画『日本誕生』と『ヤマトタケル』は、Amazon Primeビデオなどで視聴可能です。連休中に映画を楽しみながら、日本の歴史と未来について想いを巡らせてみるのはいかがでしょう。

(長野辰次)

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