打ち切り? バッドエンド? 「思わぬ最終回」で完結したアニメ3選
マグミクス / 2024年2月16日 12時10分
■最終回に主人公死亡?
アニメの最終回は、それまでのストーリーの締めくくりであり、視聴者の期待値も自然と上がってしまうものです。きれいなハッピーエンドで完結する作品も多いですが、なかには「え、これで終わり?」と言いたくなるような結末を迎えるアニメも存在しました。今回は、最終回に衝撃的な展開があったアニメを振り返りましょう。
●『シゴフミ』
『シゴフミ』(原作:湯澤友楼)は、2006年から2008年までライトノベル全4巻が刊行され、2008年1月からTVアニメが放送されました。本作は、死者から生きてる人へ手紙「死後文(しごふみ)」が届く、という独特な設定の作品です。
物語は「死後文配達人」の主人公フミカが毎話死後文を届け、その手紙にかかわる人たちの姿を描いた、1話完結のオムニバス形式で進行します。放送時には、センセーショナルな題材を扱っているため、一部内容修正、放送休止などの対応もなされました。
最終回の見どころは、フミカの正体についてです。フミカは美川文歌(みかわ ふみか)という人物が、父親の美川キラメキによる虐待から逃げるために作り上げた別人格だったと明らかになります。
エスカレートしていく文歌への虐待に、フミカは「これ以上は命が危ない」と思い、キラメキがコレクションしていた銃で彼を撃ちました。文歌は父を撃ってしまったと思い込み、ショックを受けて、3年間昏睡状態となってしまいます。
そしてフミカは奇跡的に目が覚めた文歌に、キラメキを撃った銃を自身の死後文として渡し「私を殺してほしい」と懇願します。フミカは自身がいなくなれば、文歌の過去と決別できると考えたのです。しかし、文歌はフミカを殺すことはできず、お互いを独立した別人格と認め合い、物語は完結します。
ネット上では本作の最後について、「途中が面白かっただけに少し残念」「鬱展開がいとも簡単に解消されてビックリ」といった声もありました。一定の評価はあるものの、急ぎ足で結末を迎えたことに「消化不良」と感じた人もいたようです。
●『カウボーイビバップ』
『カウボーイビバップ』は1998年4月から6月まで放送された、2071年の未来を舞台にしたSF作品です。TV放送時には放送枠の確保困難から、全26話のうち13話分のみの放送に終わりました。そして改めて、同年10月から翌年4月まで全話が放送されています。
本作は、人類が生活圏を地球外に移した世界で、悪化する治安の維持対策として指名手配犯を捕まえる賞金稼ぎ(通称:カウボーイ)が活躍する物語です。カウボーイの主人公スパイク・スピーゲルをはじめとする多くの魅力的なキャラクターが登場し、重厚なSF設定と群像劇で人気を博しました。
同作の最終回は、なんとも言い難い展開で完結します。同話は主にスパイクの過去がメインテーマになっており、かつて所属していたチャイニーズマフィア「レッド・ドラゴン」との戦いが描かれました。なかでも最後に、友人であり相棒だったビシャスと一騎打ちするシーンが本作品の見どころといえるでしょう。
ほぼ相打ちとなったふたりの戦いは、スパイクの生死不明という形で終わり、ファンの間では「スパイク死亡説」も唱えられました。コメディ要素も多分にあったなかで、最後は主人公の生死不明で終わったことに、ネット上では「笑えるシーンもあっただけにハッピーエンドじゃないのが辛い」「全てを語らない感じが観る人を選ぶかも」といった意見も見受けます。
■ロボットアニメのまさかの結末に「救われない」
●『宇宙戦士バルディオス』
『宇宙戦士バルディオス』劇場版 (C)PRODUCTION REED 1981
『宇宙戦士バルディオス』は、1980年6月から翌年1981年1月まで放送されたロボットアニメです。S-1星人の主人公・マリン・レイガンは、皇帝殺しの濡れ衣を着せられ地球に飛ばされたことをきっかけに、巨大ロボット「バルディオス」のパイロットとして活躍します。
そんな本作は、主人公側の完全敗北という衝撃的な結末を迎えました。物語の最終局面、地球侵略を目論む皇帝親衛隊ガットラーは、人工太陽を用いて南極と北極を溶かす作戦を仕掛けます。その影響で、大津波が発生し35億人が命を落としてしまいました。そして最後に「完」の文字が出て、ストーリーは完結します。
人類滅亡という驚愕のラストには理由があり、スポンサーの経営悪化により作品の打ち切りを判断せざるを得なかったようです。実際、全39話のうち31話までの放送で終了し、当時を振り返って「唐突で唖然とした」「最後までちゃんと観たかった」といった意見も多くあります。
その後、視聴者の声に応える形で未放送分を含む全34話のDVDなどを発売し、1981年には劇場版が放映されます。劇場版でも人類滅亡のエンディングは変わらないものの、地球が過去のS-1星ということが明らかになり、マリンたちは壮大なタイムパラドックスの渦中にいたと判明しました。
(LUIS FIELD)
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