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40年前の今日『宇宙刑事シャリバン』が最終回 「ギャバン」との共演に納得できた理由とは

マグミクス / 2024年2月24日 8時10分

40年前の今日『宇宙刑事シャリバン』が最終回 「ギャバン」との共演に納得できた理由とは

■最終回までファンを待たせた、ギャバンとシャリバンの共闘

 本日2月24日は、1984年に『宇宙刑事シャリバン』最終回「赤射・蒸着」が放送された日です。今年で40年が経過しました。数ある特撮ヒーローの最終回のなかでも、特に話題となることが多いその理由について振り返ります。

 本作は基本的に一話完結作品でしたが、時おり主人公である伊賀電/宇宙刑事シャリバンのルーツにまつわるエピソードが進行していました。そこで電は本作の敵組織である「宇宙犯罪組織マドー」に滅ぼされた、「イガ星人」の末裔ということが作品途中で明かされます。そして、マドーはイガ星人の子孫たちが守り通してきた「イガクリスタル」を狙い、たびたびイガ星の戦士との戦いが繰り広げられてきました。

 このエピソードは『奇星伝』と呼ばれ、本作のドラマチックな展開を支える骨子となって作品を盛り上げています。最終回ではこのドラマにも決着がつくのですが、ファンの多くが注目したのは別の要素でした。それは前作『宇宙刑事ギャバン』の主人公である一条寺烈/宇宙刑事ギャバンとの共演だったのです。

 ギャバンとシャリバンが一緒に戦ったことはなかったわけではありません。『ギャバン』最終回で、危機に陥ったギャバンを助ける形でシャリバンはTVに初登場していました。しかし、この時は新ヒーローの顔見せという形で特に共闘もせず、ギャバンはひとりで敵組織を壊滅させています。

 そして、前作から引き続き作品をまたいで登場することになった本作のギャバンは、レギュラーとして銀河パトロール隊太陽系地区隊長という地位に就き、シャリバンをサポートする立場となりました。当時、この展開だったことから、ファンはいつの日かギャバンとシャリバンの共演が本作で見られることを期待したわけです。

 ところがギャバンはシャリバンに指令を与えるだけで、いっこうに宇宙刑事としての活躍を見せません。第15話「海鳴りの仕掛島」では久々に烈の姿で地球に現れたことから、今回こそ共闘が見られると思ったファンも多かったのですが、この時もその活躍を見ることはありませんでした。

 このようにギャバンとシャリバンの共演が見られると思ったファンにとって、最終回は待ち望んでいた展開だったわけです。ちなみに筆者は当時の雑誌『宇宙船』に記載された今後の予定表で、最終回のタイトルが「赤射・蒸着」だと知りました。このタイトルから考えられるのは間違いなく新旧宇宙刑事の共演。当時はドキドキでTVの前にいたことを今でも覚えています。

■強敵だからではない? ふたりの宇宙刑事の共闘が必要だったワケ

『宇宙刑事シャリバン』の名場面ダイジェストを収録した「宇宙刑事シャリバン メモリアルDVD」(東映)。ジャケットにギャバンと共闘した最終回「蒸着!&赤射!」の場面写真が掲載されている

 ちなみに、最終回でのヒーロー共闘は他の作品でも見かけることがあります。定番の盛り上げ展開でしょう。しかし、本作には絶対的にふたりのヒーローが必要でした。その理由をご説明していきましょう。

 本作のラスボスである「魔王サイコ」は、当初の予定では最終回前に倒されるはずでした。それは番組途中から加わった強敵、死霊界から来た「軍師レイダー」により倒され、その結果、マドーは乗っ取られてしまうという展開だったからです。

 実はこのレイダーの造反、次回作への伏線となる予定でした。次回作の主人公の妹がレイダーの呪いにかかるという流れだったのです。ところが、この流れは変更されて次回作『宇宙刑事シャイダー』は、世界観は継承しても前作からの設定の引継ぎをしない方針となりました。

 これによりレイダーのクーデターは成功する必要がなくなったわけです。そこで新たに考えられたのが魔王サイコの分身である「戦士サイコラー」の存在でした。このサイコラーの人間体である「海坊主」は、番組初期から登場していましたが、敵か味方かすら考えていなかったそうです。

 そしてサイコラーの存在がレイダーのクーデターを阻止するカギでした。レイダーの姦計で一度は死んだサイコでしたが、サイコラーによって命を分け与えられて復活を果たします。そしてレイダーを抹殺しました。サイコとサイコラーは命を分け与えた存在で、片方が倒れても片方が命を与えることで復活を果たすことができたのです。

 つまりサイコとサイコラーは「同時に撃つ」必要がある強敵でした。この絶妙な設定がギャバンとシャリバンの共闘に必要性をもたらしたわけです。敵が強大だからではなく、ふたりのヒーローがいなければ倒すことができない存在。これほどまでにヒーローの共闘を正当化する設定はそうありません。

 そして最終回の名場面は今でも脳裏に焼き付いています。サイコラーの前に立った烈と電。そして互いを見てからの「蒸着!」、「赤射!」の声と共に空中で回転しながら交差して降り立つふたりの宇宙刑事。ギャバンとシャリバン。そこから呼応するかのようにお互いの必殺技と超兵器のオンパレードが続きます。

 最終回までじらされた共演でしたが、そのかいもあって興奮し通しの30分でした。今思えばこの最終回の興奮のため、製作陣もふたりの共演は控えていたのでしょう。その思いが爆発したアクションシーンでした。むろん、それ以外にも作品の完結に相応しい設定回収を見せた、最高の締めくくりだったと思います。

 もっとも個人的に残念に思ったのは、1年間パートナーを務めたリリィが地球に残されたことくらいでしょうか。イガ星に旅立つ電たちを見送るリリィの切ない表情に、グッと来た瞬間でもありました。

(加々美利治)

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