主人公途中退場、50億人爆死 仮面ライダーシリーズで描かれた衝撃展開3選
マグミクス / 2024年4月10日 7時10分
■正義を貫いた結果、50億人が死亡
現在まで続いている「仮面ライダー」シリーズは、2023年から放送している『仮面ライダーガッチャード』で35作目となりました。ヒーローである仮面ライダーが悪党を倒していく「勧善懲悪」という誰が見てもスカッとするスタイルが定番のなか、衝撃展開によって後味の悪いラストを迎えた作品もあります。今回は、そんな衝撃の最終話が放送された仮面ライダー作品を振り返りましょう。
●『仮面ライダーBLACK RX』
1988年から1989年まで放送されたシリーズ10作目の『仮面ライダーBLACK RX』のラストは、人類にとっての悪党を倒すという展開であったものの、冷静に考えるとモヤモヤさせられるものでした。
最終話の第47話「輝ける明日!」でRXは、地球侵略を目的としている親玉のクライシス皇帝の野望を阻止しようとします。クライシス皇帝とは、1000年前に怪魔界を征服して「クライシス帝国」を築き上げた支配者です。ヒーローとして、彼の野望を阻止して地球を守るのは当然の行いであり、物語としても違和感はありません。
しかし、クライシス皇帝は地球侵略をする理由について、地球の環境汚染によってクライシス帝国が崩壊寸前となって居住が難しくなり、50億のクライシス人を地球に移住させるためとRXに告げるのでした。地球人の行為が、回りまわってクライシス人を苦しめていたというのです。
とはいってもRXが地球侵略をみすみす見逃すはずもなく、複雑な心境になりながらもクライシス皇帝と戦います。そして、RXの武器である「リボルケイン」で貫かれたクライシス皇帝は力尽き、怪魔界を巻き込む大爆発とともに滅びるのでした。
そして、怪魔界のクライシス帝国も爆発によって滅びるのですが、ということは50億人のクライシス人も一気に消失したことになります。クライシス皇帝による酷い道連れ行為ではありますが、最後の「人間どもが地球を汚せば、新たな怪魔界が生まれ、地球を襲うであろう」「全てはお前たち人間どもの罪だ」というセリフとともに、モヤモヤもさせられるラストとなりました。
■最終話を迎える前に主人公が死亡
●『仮面ライダー龍騎』
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仮面ライダーシリーズで衝撃展開が多かった作品といえば、2002年から2003年まで放送された『仮面ライダー龍騎』は外せないでしょう。
同作のメインとなる舞台は鏡のなかの世界「ミラーワールド」で、そこには13人の仮面ライダーが存在します。さらにライダーたちには、最後のひとりになるまで仮面ライダー同士で戦うという宿命も課せられていました。そして、最後まで勝ち残ったライダーには、「望みを叶えられる」という権利が与えられるのです。
主人公の城戸真司は「仮面ライダー龍騎」に変身できるようになり、最後まで生き残るかと思いきや、最終話を前にして途中退場します。しかも、ライダーにやられるのではなく、生身の真司が怪人に襲われそうな少女を庇ったことで流血し、そのまま絶命するのです。主人公があっさり死んでしまう展開に、多くの視聴者を驚かせました。
最終話では生き残った秋山蓮/仮面ライダーナイトと、ラスボスである仮面ライダーオーディンとの一騎打ちが始まり、結果としてナイトが勝利して、彼の望みで昏睡状態の恋人の小川恵里を目覚めさせます。しかし、オーディンとの激しい戦いで致命傷を負っており、蓮は彼女の意識が戻る前に力尽きるのでした。
次々とライダーたちが死んでいくという悲しい展開が繰り広げられるなか、このライダーバトルが行われた理由も明らかになります。それはライダーバトルの首謀者である神崎士郎が、他界した妹の優衣を生き返らせるためでした。彼の目の前にいる優衣は鏡のなかの存在であり、現実世界で死んだ優衣と一体化した姿です。さらに優衣は生き返ることを拒み、そのたびに士郎は時間を巻き戻して、何回もライダーバトルを繰り返していました。
そして、最後には優衣の説得によって時間を巻き戻すことも諦め、現実世界はふたりが願った「みなが幸せに笑っている世界」に修正されます。記憶は失われたものの、死んでいったライダーたちは生き返り、最後に真司と蓮が再会するところで物語は終わりました。辛い展開が多かったため、ハッピーエンドで終わったことで、安堵した視聴者も多かったことでしょう。
●『仮面ライダーディケイド』
ここまでの作品は作中で起こった悲惨な衝撃展開でしたが、2009年放送『仮面ライダーディケイド』の最終話は、ラストがしっかりと描かれないままに終えたことで、視聴者から不満の声が続出しました。
同作は主人公である門矢士/仮面ライダーディケイドが、崩壊を始めた世界を救うため、9つの並行世界を巡るという物語です。並行世界にはさまざまなライダーが存在し、協力する場面もあったものの、最終話では9人のライダーたちと戦うことになります。
1対9というディケイドにとって絶体絶命の場面となり、ディケイドは勇敢にも戦いに挑みますが、結末は描かれないまま幕を閉じます。その後に 劇場版の予告ムービーが流れ、そこで「結末は映画で描かれる」という事実を突きつけられるのでした。
この「最後まで描かれない」という衝撃的な最終話は物議を醸し、いまだに語り継がれています。当時の視聴者からは、「意味わからなすぎてブチギレ寸前だった」「最後に『は?』と声を出したの覚えてる。これで納得する人いないでしょ」など、今でもライダーファンから怒りの声もあがっています。
ちなみに、その劇場版である『仮面ライダー×仮面ライダーW(ダブル)&ディケイド MOVIE大戦2010』は同年の12月に公開され、その話のなかで「仮面ライダーディケイド 完結編」が描かれるのでした。
(LUIS FIELD)
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