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予想を裏切り惨敗!?『帰ってきたウルトラマン』 陰惨な描写も、子供を惹きつけた

マグミクス / 2020年4月2日 12時10分

写真

■魅力的な怪獣の数々

 1971年4月2日は『帰ってきたウルトラマン』の第一話「怪獣総進撃」が放送された日です。『続ウルトラマン』として1969年にスタートした企画が1970年に再放送された『ウルトラマン』『ウルトラセブン』の高視聴率、『ウルトラファイト』の人気、関連商品の売れ行きの好調さなどに後押しされた形で実現し、70年代を代表する特撮ヒーロー番組となりました。小学生の時に学校の劇でベムスター役を演じた記憶があるライターの早川清一朗さんが、当時の興奮を語ります。

* * *

 筆者が最初に全話を通して見たのは『ザ・ウルトラマン』、その次が『ウルトラマン80』
だったことを覚えています。すぐにウルトラマンのとりことなった筆者は、母親にねだってケイブンシャの『ウルトラマン大百科』を買ってもらい、文字通りボロボロになるまで読み込んでいました。なんでもいいから『ウルトラマン』が見たい。そう願っていた筆者は朝になると新聞のTV欄を細かくチェックし、ある日、朝の4時だか5時あたりの欄に小さく『ウルトラ』と書かれていることに気付いたのです。もしかしたら少し違う表記だったかもしれません。

 当然、滅茶苦茶喜びましたが、子供にとっては朝早すぎて起きるのは難しい話でした。それでも翌日、眠い目をこすりながら起きだしてきた筆者の目に映ったのが『帰ってきたウルトラマン』の第4話「必殺!流星キック」だったのです。筆者のベースとなっているウルトラマン80は、実は怪獣・宇宙人との対戦成績で無敗を誇っています。当然、帰ってきたウルトラマン「新マン」も怪獣を簡単にやっつけるだろうと思ったら、スペシウム光線も八つ裂き光輪もシネラマショットもキングザウルス三世のバリアーにはじき返され、格闘戦を挑もうとして角で放り上げられ惨敗するというショッキングな光景が繰り広げられ、呆然としたのを覚えています。

 バリアーのない上から攻撃するために、特訓で「流星キック」を身に着けた新マンが2度目の対決で角をへし折り勝利したのですが、筆者は新マンの強さと言うよりも、キングザウルス三世の強さと流麗なデザインに強く惹かれ、このときから怪獣を追いかけるようになるのです。

■少年時代、近所のガスタンクをじっと見ていたワケ

『帰ってきたウルトラマン MUSIC COLLECTION』(日本コロムビア)

 早朝の再放送はそれほど見ることはできませんでしたが、ほどなく他のウルトラシリーズと共に再放送が始まり、夕方に家にいれば何かしらの『ウルトラマン』を見られる時期がやってきました。

 改めて1話から『帰ってきたウルトラマン』を見始めた筆者は、今まで写真でしか見たことがなかった怪獣たちが新マンと戦う姿を真剣に見つめていました。特に印象深い怪獣は、いくつかいますが、筆者にとっての筆頭はベムスターです。お腹にある五角形の口でガスタンクを食べるベムスターの姿を見てから数年間は、近所のガスタンクを食べにベムスターがこないか、じっと見ていた記憶があります。この回は新マンに新兵器「ウルトラブレスレット」を託すためにウルトラセブンが登場するという、「ウルトラ作品はつながっている」ことを示したエポックメーキング的な話でもあり、今でもたまに見返しています。

 次に印象深いのはプリズ魔です。写真を見ただけではどうやって戦うのかまったく見当もつかない形をしていたのですが、予想以上に強力な怪獣で、攻撃を反転させたり逆に引き付けて焼いたりして新マンを苦しめます。最後は新マンがプリズ魔の体内に侵入し、スペシウム光線で撃破するのですが、ラストがボロボロになった郷秀樹が「ギリギリの賭けだった」と述懐して倒れこむシーンが強烈に記憶に残っています。

 しかしそれら怪獣の印象をはるかに超えて鮮烈だったのが、主題歌やBGMといった音楽です。主題歌「帰ってきたウルトラマン」の作曲を担当したのはすぎやまこういち氏。郷秀樹役の団次郎さんが自ら歌いあげるメロディーは、忘れられるはずもなく魂に刻み込まれています。また、MATの出撃シーンに使用された「ワンダバ」はウルトラシリーズを代表する名曲として、後々まで強い影響を与えています。

 その他にも『怪獣使いと少年』のメイツ星人の末路や坂田兄妹がナックル星人に轢き殺されるなど、陰惨な描写が多い作品ではありましたが、それだけ印象が強い作品ともなりました。

 ただひとつだけ、今でも不思議に思っているのが、ツインテールがエビの味って、誰が確かめたんでしょうかね?

参考文献:『宇宙船SPECIAL‘70年代特撮ヒーロー全集』(朝日ソノラマ)

※編集部注:「帰ってきたウルトラマン」の正式名称は「ウルトラマンジャック」ですが、本記事では執筆者の意向を尊重し、「新マン」と表記しました。

(ライター 早川清一朗)

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