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脳年齢の老いに愕然『脳を鍛える大人のDSトレーニング』一昨日の晩ご飯、覚えてる?

マグミクス / 2020年5月19日 16時10分

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■「脳年齢」に一喜一憂!

”質問です。一昨日の晩ご飯、何を食べましたか?”

「なんだ、そんなこと……」と思って考え始めると、これが意外と思い出せない。ウンウンと頭を抱えて唸っても、思い出せるのは昨日の晩ご飯まで。そこへ優しく追い打ちをかけるよう、テレビから聞こえてくるナレーション。”脳は、使わないと、どんどん年を取ります”。このテレビCMは視聴者の関心をグッと引き寄せ、『東北大学未来科学技術共同研究センター川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング』(以下『脳を鍛える大人のDSトレーニング』)の売上げに貢献しました。

 本作のリリースは2005年5月19日。2004年の冬に任天堂が送り出した携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」専用ソフトとして、3000円ほどの価格で発売されます。その最たる特徴は、何と言っても”脳年齢チェック”でした。

 これは計算問題や単語の記憶などの問題をこなすことで、知られざる自分の脳年齢が分かるというもの。実年齢に近い結果ならまだしも、「まだ20代なのに脳みそは60代」、「普段から頭を使ってるはずなのに判定は60代」といった思わぬ結果に閉口することもしばしば。またその逆も然りで、「たかがゲームでしょ?」と思って取り組むと予想を裏切る結果に直面する、仕組みはシンプルながらも大勢の人々をとりこにしました。

 加えてただ脳年齢を判定するだけでなく、タイトル通りに”脳を鍛えることができた”のもポイントです。脳年齢を若返らせるためには、やはり日頃から脳に働きかける必要があります。

 具体的には、画面に映った漢字混じりの文章をひらがなに直す”文字数え”に、家のなかに出入りする人影を答える”人数数え”。左脳をフル回転させるような問題もあれば、音読にお絵かきクイズ等々、脳みそが汗っかきになる種目が用意されていたのです。

 続編の『もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング』になると、問題もよりバラエティ豊かに。こちらは松嶋菜々子さんがCMに出演していたこともあり、判定結果(脳年齢52歳)を目の当たりにして「あっはははは!」と爆笑する彼女の姿が印象深い方も多いのではないでしょうか。筆者もそのひとりですが、より強く記憶に刻まれているのは、お笑いタレント・陣内智則さんのオリジナルネタ。ある番組に出演した彼は、本作をモチーフにしたであろうコントを観客の前で披露。「ニンテンドーDS……ではなく、”SANTENDOでーす”」を掲げるワンシーンが今でも忘れられません。

 その後、十数名の開発スタッフによって誕生した『脳を鍛える大人のDSトレーニング』は、累計1900万本(世界市場)を超える大ヒットを記録。普段からゲームに親しんでいるユーザー層だけでなく、ゲームから離れていた社会人とその子供、さらにゲームとは縁遠い(と思われていた)お年寄りも巻き込みます。

 家族が揃って画面を囲い、脳年齢の結果に一喜一憂し、会話がはずむ。ハード本体の販売台数を牽引したほか、祖父母に本作をプレゼントする現象も見られるようになり、お茶の間を含め、”脳トレブーム”の先駆者として数々のフォロワータイトルを生み出すにいたりました。

 あれから15年。もう随分と脳トレから遠ざかってしまいましたが、これから先、再び脳トレに勤しむか分からないにしても、色んな人が縦持ちのニンテンドーDSを覗き込んでいたあの光景は、しっかりと記憶に留めておきたいと思います。

(龍田優貴)

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