1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. ゲーム

スーファミ後期の名作RPG『スターオーシャン』 パーティー編成で味わったジレンマ

マグミクス / 2020年7月19日 15時10分

写真

■新ハードのソフトが出揃うなか、スーファミ用ソフトとして登場

『スターウォーズ』に『スタートレック』、『ファンタシースター』や『スターソルジャー』など、”スター”と名のつく映像作品やゲームタイトルは、これまでに数え切れないほど誕生しています。筆者が過去の名作RPGを探していた頃に出会ったエニックス(現:スクエア・エニックス)のスーパーファミコン(以下、SFC)用ソフト『スターオーシャン』(以下、SO1)も、スターの名を冠するタイトル群のひとつ。本作は時空間を越えた壮大な物語と合わせて、登場キャラクターが織りなす旅路を丁寧に描き出していました。

 本作の発売日は1996年7月19日。既にSFCのロンチから約6年が経過しており、同ハード向けタイトルのリリース時期としては遅めの部類に入ります。周りを見渡せば、プレイステーション用ソフト『バイオハザード』(1996年3月22日)やNINTENDO64用ソフト『スーパーマリオ64』(1996年6月23日)といった最新ハード向けの新作が発売済み。こうしたソフトラインナップが各メーカーからの供給によって続々と揃いつつあるなか、『SO1』はSFC向けのRPGとして世に送り出されたのです。

 とはいえ、本作は当時の最新ハード産RPGに決して引けを取らないクオリティの高さを誇っていました。新緑の鮮やかな平原と風に揺れる木々をはじめ、風化具合が目に見える古代遺跡、ゴツゴツとした敵の機械兵器、小川に映り込むキャラクターの横顔……とグラフィック面を見るだけでも、SFファンタジーの世界観が緻密なドットによって作り込まれていたのです。

 また作風だけでなく、48メガの大容量カセット内にSFC用作品としては珍しいキャラクターボイスもふんだんに収録。戦闘時はキャラクターの掛け声がしきりに飛び交う、賑やかなバトルも楽しめました。

■キャラクターに深みをもたらした「プライベートアクション」

『SO1』のストーリーは「ローク」という惑星から幕を開け、共同体レベルの事件から複数の惑星を巻き込んだ国家間の問題へと発展します。その過程において、主人公の少年「ラティクス・ファーレンス」(CV:優希比呂※当時の芸名は結城比呂)を含む主要キャラクターたちは300年前の惑星ロークへとタイムスリップ。人々の命を脅かす石化病のワクチンを作り出すため、有用な体組織を持つ魔王「アスモデウス」(CV:置鮎龍太郎)のもとへ向かいます。

 こうしたストーリーの道中、特に大きな存在感を放つのがサブキャラクターの面々。彼らはゲームを進めると必然的にパーティーへ参加する者もいる一方、とある条件を満たさないと正式な加入を待たずに別れてしまう者もいました。

 しかも最大パーティー人数が8名(うち4名はメインキャラクター固定)の一方、本作には男女を交えた計7名のサブキャラクターが登場。結果として、「どのキャラクターを迎え入れるか、逆に見送るキャラクターはどれにしょうか」という、ある種かけがえのないジレンマ”を生み出したのです。

 加えて登場キャラクターの多くは個別イベント「プライベートアクション」(以下、PA)が用意されており、単に冒険しているだけでは見えてこない、パーソナルな部分に触れることもできました。約30種類のPAを振り返ると、天真爛漫なヒロイン「ミリー・キリート」(CV:吉田小南美※当時の芸名は吉田古奈美)がラティクスに対して嫉妬をぶつけるコミカルなPAもあれば、義父殺しの烙印を押され、傷心に浸る女剣士「フィア」(CV:吉田古南美)を励ますシリアスなPAも。ボリュームに大小の差はあれど、そのどれもがキャラクターの個性を引き立てると共に、パーティー編成とPAの任意発生を通してゲームプレイに深みをもたらしてくれたのではないか。キャラクターごとのエンディングを見終えて随分と経った今でも、そう思えてなりません。

 1996年の生誕以降、20年近く歴史を紡ぎ続けた「スターオーシャン」シリーズ。ナンバリングタイトルこそしばらく発表されていませんが、現在はスマートフォン向けアプリ『スターオーシャン:アナムネシス』にて、ラティクスやミリーたちが正式に参戦している模様。どうやら『SO1』の系譜は途絶えることなく、しっかりと受け継がれているようです。

(龍田優貴)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください