『ギャラクシアン』の裏技に衝撃! ファミコンを“音楽ツール”にしたチャレンジ精神
マグミクス / 2020年9月7日 12時10分
■ナムコがファミコンで初めて出したカセット
1984年9月7日は、ナムコ(現:バンダイナムコエンターテインメント)からファミコン用カセット『ギャラクシアン』が発売された日です。ナムコのファミコン参入第一弾にして、光線銃タイトルを除けばファミコン初のシューティングゲームとして、子供たちをとりこにしました。当時、『ギャラクシアン』を買ってもらい、夢中になってやりこんだ記憶を持つライターの早川清一朗さんが、当時を回想します。
* * *
筆者のゲーム人生の始まりは、父親に連れられて入った喫茶店でプレイした、インベーダーゲームでした。この体験は強烈で、小さなころは「インベーダーゲームがしたい!」という想いが強く、エポック社から発売されたインベーダーゲーム専用機『テレビベーダ―』をねだったものの買ってもらえなかった覚えがあります。
それからしばらく時が経ち、ファミコンを買ってもらえた筆者でしたが『スペースインベーダー』はまだ発売されておらず、まずは『ナッツ&ミルク』を買ってもらい、ひたすらにやりこんでいました。
しかし同じゲームをやっていればいずれ飽きるもの。そろそろ次のカセットが欲しいなと思っていたころに、近所のディスカウントストアで見かけたのが『ギャラクシアン』でした。
この頃の筆者は『ギャラクシアン』がアーケードで人気だったタイトルだとはまるで知りませんでしたが、パッケージに描かれたゼロ戦とトンボを組み合わせたような戦闘機を見て「きっとピュンピュン弾を撃つゲームだ」と直感し、ねだって買ってもらうことができたのです。
家に飛んで帰って急いで箱を開き、カセットを取り出して『ナッツ&ミルク』と入れ替え、新しいゲームが起動したときの、新鮮な感動は忘れがたいものがあります。おそらく二度と味わえないものなのでしょう。早速プレイを始めた筆者は、『スペースインベーダー』よりカラフルなエイリアンを撃ち落とそうとした矢先、『ギャラクシアン』ならではの要素に大慌てする羽目に陥ったのです。
■一時ホコリをかぶるが…裏技で再度注目を浴びる
1機か2機のエイリアンを撃ち落とした直後、いきなり敵がミサイルを撃ちながら突っ込んできたときは、度肝を抜かれました。『スペースインベーダー』の敵は横にしか移動しないので、それが当たり前だと思っていたのです。敵が自分めがけて突っ込んでくるなんて想定もしていませんでした。たしか最初の攻撃はかわせたと思いますが、何度目かの攻撃であえなくやられてしまった覚えがあります。
しかも敵の数が少なくなると、残った敵が次々と襲い掛かってくるのです。慣れるまではこの攻撃をしのぐことができず、1面のクリアすらおぼつかない状態でした。
それでも慣れれば慣れるほど徐々に先の面へ進めるようになり、やがて高得点を狙うために、飛んできた敵だけを狙い討つようにもなりました。飛んでいる敵は通常の倍の得点が入るのです。特に画面の一番上にいる旗艦と赤い敵が一緒に飛んできた場合、赤い敵を倒してから旗艦を倒すと高得点だったため、無理に狙いに行ってはやられることの繰り返しでした。
こうして数か月間ひたすら『ギャラクシアン』を遊んでいた筆者でしたが、唐突な終わりが訪れます。そう、傑作シューティングとして名高い『ゼビウス』を買ってもらえたのです。
すぐに『ゼビウス』にハマった筆者は、『ギャラクシアン』を友達との貸し借り用カセットとして使うようになりました。しかし一通り貸し終えると出番もなくなり、ホコリをかぶるようになってしまったのです。
そんな『ギャラクシアン』でしたが、1985年に徳間書店の『ファミリーコンピュータMagazine』にある裏技が披露され、一躍注目を浴びるようになります。それは45回リセットボタンを押してから2コンのABボタンを押しながら再度リセットボタンを押すと、隠し音楽が聴けるというものでした。このとき初めて聴いた「シバの女王」は、ファミコンを音楽ツールとして考えてはいなかった筆者にとって大きな衝撃となり、今でも印象深い楽曲として記憶に刻まれています。
ゲーム中に流れる音楽ではないので厳密に言えばゲームサウンドではないのかもしれませんが、ゲーム機で音楽を流せることを証明したチャレンジ精神に今さらながら敬意を表し、本稿を締めさせていただければと思います。
(早川清一朗)
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