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突然いなくなる猫、家中探しても見つからず…? 飼い主「あるある」かも

マグミクス / 2020年9月26日 17時10分

写真

■姿を消す猫

 漫画家の迷子さんによる描き下ろしエッセイ。

 秋になると迷子さんが思い出す、姿を消す猫のお話。家のなかでも、愛猫が突然いなくなることがあり……? ふっと姿を現すのは、猫の飼い主さんにとっては、「あるある」かもしれません。

* * *

 猫は時折姿を消す。別に透明になるとかそういう夢のある話ではなく、そういえば姿を見ていないな……? という時間が発生するのだ。自由に外に出られるようになってはいないので、なかにはいる。しかし、やっぱり姿は見えない。軽く定番の場所を探して見つからなかったら、探すのをやめる。きっと一匹で静かに過ごしたい時もあるだろう。というか自分もそういう時間はありすぎるくらいある。

 姿を消す猫と言えば、小説家・内田百間(うちだひゃっけん/間の字はもんがまえに月)の『ノラや』を思い出す。初めて読んだときは猫を飼ってもいなかったのに泣けて泣けて仕方がなく、それ以来秋が来る度に読んでは泣いている気がする。心は先生と一緒にチラシを作り、人に尋ねてまわり、新聞広告を出し、ポスターを貼り、路地裏を覗き込み、風の音に深い悲しみのため息をつく。何度読んでもノラは帰ってこない。あんなにかわいくて大切なノラは、どこにいってしまったのか。何度も読んでいるのだから、そろそろ帰ってきてくれてもいいじゃないか、あんまりだ。でも、もしかしたら次は帰ってきてくれるかもしれない。そう思い続けて毎秋泣かされている。多分この秋も読みたくなるんだろう。そして、やっぱりノラは帰ってこないのだ。つらい。悲しい。寂しい。猫がいないことが、あまりにも悲しい。

 ひとりでうつうつじめじめしていると、そのうち猫がふらりと姿を現す。何をひとりで右往左往しているのかこの人間は、と胡乱げな顔でこちらを見るので、捕獲して吸引もやむなし。猫が今ここにいる。それは紛れもない幸運だ。

(迷子)

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